スマッシュ〜ザ・シングルズ 1985-2020

『スマッシュ〜ザ・シングルズ 1985-2020』は、ペット・ショップ・ボーイズがパーロフォンから2023年6月16日にリリースしたベスト・アルバムです。彼らの35年にわたる音楽活動を総括する内容で、初期から最新のヒット曲まで、時代を超えて愛される名曲が多数収録されています。

アルバムはCD3枚組またはLP6枚組で構成され、彼らの代表的なシングル55曲が発表順に収録されています。さらに、全ミュージックビデオを収めたBlu-rayディスクも付属し、視覚的にも彼らの魅力を堪能できます。アルバムのリリースに合わせて、2023年5月から7月にかけてイギリスとヨーロッパで「ドリームワールド: ザ・グレイテスト・ヒッツ・ライヴ・ツアー」も開催され、多くのファンを魅了しました。

ニール・テナントとクリス・ロウは、アルバム制作の背景について「ニュー・アルバムの制作を始め、グレイテスト・ヒッツ・ツアーも行う中で、これまでリリースしたシングルを改めて集めてみるのは良いアイデアだと思った」と語っています。この言葉からも、彼らがこれまでの活動を振り返り、ファンに感謝の気持ちを伝えるために、このベスト・アルバムを制作したことが伺えます。

収録曲はすべて公式にシングルとしてリリースされたもので、ほとんどがイギリスのラジオ局に配布された7インチまたはCDバージョンです。ただし、「ニューヨーク・シティ・ボーイ」はアメリカのラジオエディットが収録されています。

今作に収録されなかった公式シングルとしては、以下のようなものがあります。

ボビー・オーランドがプロデュースしたデビュー・シングル「ウエスト・エンド・ガールズ」オリジナル・バージョン
ボビー・オーランドがプロデュースしたセカンド・シングル「ワン・モア・チャンス」
「シリアスリー」（1991年に「ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネーム（君の瞳に恋してる）」との両A面）
「アブソリュートリー・ファビュラス」（1994年のコミック・リリーフのシングル）
* 「バーニング・ザ・ヘザー」（2020年に7インチレコードとして発売）

音楽メディアからの評価も高く、ピッチフォークのオーエン・マイヤーズは「これ以上ないほど、彼らの最高傑作から次々と輝かしいシングルが飛び出してくる」と絶賛しつつも、「3枚目の最後は少し弱くなる」と評しています。オールミュージックのティモシー・モンガーは「ペット・ショップ・ボーイズとして創造してきた驚くほど幅広い作品自体が物語っている」とし、「55曲を通して聴くと、その均整の取れた優雅さ、ポップさ、キャッチーさ、そして知的なクオリティに気づかされるだろう」と評価しています。

『スマッシュ〜ザ・シングルズ 1985-2020』は、ペット・ショップ・ボーイズの音楽的才能と創造性を改めて認識させてくれる、ファン必携のベスト・アルバムと言えるでしょう。

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