スマホを落としただけなのに

スマホを落としただけなのに

『スマホを落としただけなのに』は、志駕晃による日本の推理小説で、シリーズはこれまでに4巻が出版されています。初刊となる『スマホを落としただけなのに』は2017年に発売され、その後も『囚われの殺人鬼』(2018年)、『戦慄するメガロポリス』(2020年)、そして最新の『連続殺人鬼の誕生』(2024年)と、続々と新作が登場しています。宝島社文庫「『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ」の一環として刊行され、作品は累計100万部を超えました。

概要

本作は2016年に行われた第15回『このミステリーがすごい!』で最終候補に残りましたが、見事に賞には選ばれませんでした。しかし、編集部の推薦により加筆修正が施され、2017年に「隠し玉」シリーズとして出版されることになります。また、2018年には中田秀夫監督、北川景子主演で映画化され、原作の人気は映画でも再燃しました。続編の映画も公開され、2023年には韓国でのNetflixオリジナルとしてリメイクされるなど、国際的にも注目を浴びています。

あらすじ

物語は、ある男がタクシーで拾ったスマートフォンからスタートします。このスマホには美しい女性、稲葉麻美の待ち受け画像が表示されており、男は次第に彼女に興味を持つようになります。麻美は彼女の恋人である富田誠のスマホを取り戻そうと、男に連絡を取り、待ち合わせることになります。しかし、男は待ち合わせに現れず、ただスマホだけが戻ってくるのです。

その頃、神奈川県の丹沢山付近では、若い女性の白骨死体が発見されます。捜査を担当する刑事、毒島徹はこの事件を殺人として捜査を開始し、次第に事件が深刻な連続殺人へと発展していくことを察知します。

物語は男、麻美、刑事の視点を交えながら進行し、緊迫感を持続させつつ物語の謎を深めていきます。

登場人物

• - 男 (おとこ): 主人公。スマホを拾って麻美に興味を持ちますが、実は連続殺人犯でもあります。
• - 稲葉麻美 (いなば あさみ): 美しい派遣社員で、恋人を探す過程で男に狙われます。
• - 毒島徹 (ぶすじま とおる): 事件を捜査する神奈川県警の刑事。事件の真相に迫ります。
• - 富田誠 (とみた まこと): 麻美の恋人で、スマートフォンを落としたことが物語のキーになります。

このように本作は、スマホを媒介にしたミステリーとして、物語が進むごとに緊張感とサスペンスが高まります。特に、登場人物たちの視点が交差することにより、異なる背景や感情が描かれることで、全体のストーリーに厚みを与えています。

『スマホを落としただけなのに』は、その斬新な設定と緊迫したストーリー展開が魅力の作品です。映画版や漫画版も存在し、多様な形で楽しむことができるため、原作ファンのみならず広く認知されている作品と言えるでしょう。

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