丹沢山

丹沢山の概要

丹沢山は、神奈川県に位置する標高1,567メートルの山で、丹沢山地の主脈の一部です。この山は相模原市緑区と愛甲郡清川村、足柄上郡山北町の境界にあり、周囲の美しい自然と共に丹沢大山国定公園に指定されています。

もともと「丹沢山」という名称は、丹沢中央部に連なる山々全体を指していましたが、明治時代に行われた測量において、山の一等三角点が設置された際にこの山が「丹沢山」と仮称されたことが、現在の名称として定着しました。実際、深田久弥が選定した日本百名山の丹沢山とは、中央部にある多くの山々の総称であるとも言われています。また、丹沢山麓では、地域の伝統的景観を保全・復元する活動が行われており、平成15年度には国土交通省の手づくり郷土賞を受賞しました。

歴史的な出来事

丹沢山は多くの歴史的出来事があった場所でもあります。1923年9月1日の関東大震災では、山の斜面で数多くの崩壊が発生しました。また、1950年4月21日には山頂近くにアメリカ空軍の輸送機が墜落し、乗員・乗客35名全員が命を失いました。1955年には、第10回国民体育大会の山岳競技の会場となり、このことで登山道や山小屋の整備が進みました。

登山と山小屋

登山者にとって、丹沢山は魅力的な目的地です。山頂には「丹沢山 みやま山荘」という宿泊施設があり、通年営業を行っています。山小屋は2004年に建て替えられ、素泊まりは6,000円、朝食は1,200円、夕食は1,800円（2023年5月現在）です。ただし、自炊室は設けられていません。

主な登山ルート

丹沢山への主な登山ルートには以下が挙げられます。

• - 大倉 ― 大倉尾根 ― 塔ノ岳 ― 丹沢山（登り4時間40分、下り3時間20分）

- 大倉バス停へは渋沢駅からアクセス可能。

• - 宮ヶ瀬 ― 高畑山 ― 丹沢三峰 ― 丹沢山（登り5時間55分、下り4時間20分）

- 宮ヶ瀬の三叉路バス停へは本厚木駅からバス。

• - 塩水橋 ― 天王寺尾根 ― 丹沢山（登り3時間30分、下り2時間30分）

- 塩水橋行きのバスは運行されていません。

• - ヤビツ峠 ― 表尾根 ― 塔ノ岳 ― 丹沢山（登り5時間15分、下り4時間15分）

- ヤビツ峠バス停へは秦野駅からアクセス。

• - 西丹沢自然教室 ― ツツジ新道 ― 檜洞丸 ― 臼ヶ岳 ― 蛭ヶ岳 ― 丹沢山（登り7時間50分、下り7時間20分）

- 西丹沢自然教室バス停へは新松田駅からバス。

登山道の問題

しかし、丹沢山系は首都圏に近いため、登山道の荒廃が進んでいるとの指摘もあります。踏圧による洗掘や水流によって土壌が流出し、山道が拡幅されることで、周囲の環境に影響を与えているのです。

周辺の山々

丹沢山を取り巻く山々には、次のようなものがあります。

• - 北西の丹沢主脈 には、箒杉沢ノ頭（1,550m）、不動ノ峰（1,614m）、鬼ヶ岩ノ頭（1,608m）、蛭ヶ岳（1,673m）などがあります。
• - 南側の丹沢主脈 には、竜ヶ馬場（1,504m）、日高（1,461m）、塔ノ岳（1,491m）などがあります。
• - 丹沢三峰 では、西峰（太礼ノ頭）（1,352m）、中峰（円山木ノ頭）（1,360m）、東峰（本間ノ頭）（1,345m）といった山々が存在します。

フィクションにおける丹沢山

丹沢山は、宗教的や文化的な側面でも触れられる存在であり、例えば西村健による『ビンゴ』や映画『スマホを落としただけなのに』にも登場します。本山の自然や文化を再評価し、次世代へと繋いでいくことが重要です。

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