スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス

『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』：映画の概要と詳細

志駕晃による人気推理小説シリーズの第3弾、『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』を原作とする映画が、2024年に公開されました。前作、前々作に続く中田秀夫監督による作品で、新たなキャストも加わり、スケール感も大幅にアップしています。

ストーリー：複雑に絡み合う陰謀と、それぞれの思惑

前作の事件後、桐野良一は、脱獄した殺人鬼・浦井光治が東京オリンピックを狙った北朝鮮のサイバーテロに加担していると確信します。そのため、彼は神奈川県警から内閣サイバーセキュリティセンターに出向することになります。

一方、OLの粟野有希は、拾ったスマートフォンをきっかけに、持ち主の瀧嶋慎一と恋に落ちます。しかし、この出会いが、彼女を想像を絶する事件へと巻き込んでいくのです。

物語は複数の視点から展開します。猟奇殺人鬼であり、天才的なハッカーでもある浦井光治、裏社会で暗躍する謎の人物・竜崎、そして、それぞれの思惑が交錯する中で、事件はさらに複雑な様相を呈していきます。東京オリンピックという大舞台を背景に、国際的な陰謀と、個人の運命が複雑に絡み合い、息詰まる展開が続きます。

登場人物：個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマ

本作には、個性豊かな登場人物たちが登場します。主人公の粟野有希は、スマートフォンをきっかけに事件に巻き込まれるOLです。映画版では、瀬戸千春という人物がスマートフォンを拾うという設定に変更されていますが、その人物像は原作の粟野有希とは異なる点も存在します。

もう一人の主人公と言えるのが、竜崎です。ホステスをスパイとして利用し、政治家やマスコミに工作活動を行う謎めいた男です。その正体は警察内部の密通者「バタフライ」であるという推測もされています。

そして、猟奇殺人鬼で天才的なブラックハッカーである浦井光治は、本作でも重要な役割を果たします。北朝鮮にスカウトされ、東京オリンピックへのテロ攻撃に加担する彼ですが、その裏には、彼自身の猟奇的な嗜好を満たす目的もあったと推測されます。

さらに、北朝鮮の工作員である崔淑姫（映画版では「スミン」という名に変更され、韓国のテロ組織「ムグンファ」のメンバーとして描かれます）や、粟野有希の恋人である瀧嶋慎一など、多くのキャラクターが登場し、それぞれの思惑が物語を複雑に、そしてスリリングに彩ります。

映画版：国際的なスケールで描かれる緊迫の物語

映画『スマホを落としただけなのに 〜最終章〜 ファイナル ハッキング ゲーム』は、原作の世界観を忠実に再現しつつ、映画独自の解釈を加えて製作されました。韓国でのロケも敢行され、国際的な陰謀のスケール感をより強調しています。

成田凌が主演を務める浦野善治（原作の浦井光治に相当する人物）をはじめ、クォン・ウンビ、大谷亮平、白石麻衣、井浦新、佐野史郎、真飛聖など、豪華なキャスト陣が、それぞれの役どころを熱演しています。

主題歌はimaseの「Dried Flower」が起用され、作品の世界観をさらに盛り上げています。スタッフも充実しており、中田秀夫監督をはじめ、脚本の大石哲也、音楽の堤博明とカワイヒデヒロなど、ベテランスタッフが作品を支えています。

その他：朗読劇など多様な展開

小説の発表後、2021年には「ニッポン朗読アカデミー」による朗読劇も上演されています。小説、映画、朗読劇と、様々な形で展開されている『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』は、現代社会の問題を鋭くえぐりつつ、エンターテイメント性も高い作品となっています。

もう一度検索