スミ1

スミ1とは

スミ1（すみいち）は、野球において初回に獲得した1点のみで、そのまま試合が終了する特異な状況を指します。この場合、試合のスコアは1-0となり、スコアボードの隅に1点が記録されることからその名が付けられました。スミ1に関連する表現には「スミ1で勝つ」や「スミ1で負ける」があり、これらは通常1-0の結果を示しています。なお、初回の1得点のみに抑えられた場合に、「スミ1に抑えられた」といった表現を使用することは正確ではなく、相手が2点以上を得点した際に使われるべきです。また、スミ1の試合が延長戦にならないという特性もあります。

先頭打者本塁打によるスミ1試合

現在、2024年日本プロ野球において、初回に先頭打者本塁打で1点を守りぬいて1-0で勝利したスミ1試合は21回記録されています。その内訳は、1回表が8回、1回裏が13回です。特に注目すべき試合として、2001年5月1日に行われた大阪ドームでの大阪近鉄バファローズ対日本ハムファイターズ戦が挙げられます。この試合では、日本ハムの井出竜也が初球で本塁打を放ち、その得点を金村曉とカルロス・ミラバルが守り抜きました。このような試合の中で、初球打撃が記録されたのはこの1試合のみです。

先頭打者安打によるスミ1試合

日本プロ野球において、初回先頭打者による安打のみで1点を挙げて1-0で勝利したスミ1試合は2試合存在します。最初は1975年5月5日の南海ホークス対ロッテオリオンズ戦で、先頭打者の島野育夫が安打を放ち、暴投で1点を得て勝利しました。もう1試合は2019年7月16日のオリックス・バファローズ対東北楽天ゴールデンイーグルス戦で、先頭打者の福田周平が内野安打を記録し、そこから繋がった打撃で1得点を守り抜きました。

日本シリーズにおけるスミ1試合

2018年までの日本シリーズにおいては、スミ1試合が2試合記録されています。どちらも読売ジャイアンツが関与した試合で、1994年の第2戦では西武ライオンズに対して1点を挙げて勝利しました。2012年の第2戦でも、日本ハムファイターズに対して先頭打者本塁打で得点し、その1点を守り抜いて勝利を収めました。

甲子園大会におけるスミ1試合

春の選抜高等学校野球大会で17回、夏の全国高等学校野球選手権大会で13回のスミ1試合が記録されています。興味深いのは、春の大会の方が初回に得点するケースが多いことです。特に1976年の大会では、鉾田一の戸田秀明が無安打無得点試合を達成し、1点を守り抜いて勝利しました。また、2008年の80回大会では、2試合連続でスミ1の試合が行われました。

その他の著名なスミ1試合

1997年の第28回明治神宮野球大会の決勝戦では、近畿大学が法政大学に対して1回表の得点を守り完封勝利を飾りました。また、2021年の全国高等学校軟式野球選手権大会では、作新学院が1回表の得点を守り抜き優勝を果たしています。これらの試合は、スミ1という形式がいかに特異で魅力的であるかを示しています。

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