スライディングブロックパズル

スライディングブロックパズル

スライディングブロックパズルとは、枠（ケース）の中に複数のコマが配置されており、空いているスペースを利用してコマをスライドさせて動かし、特定の配置（目的の形）にするパズルの総称です。 コマを滑らせるように動かすことから「スライディング」という名称がついています。スライドパズルと呼ばれることもあります。

主な作品

スライディングブロックパズルには、様々な種類とデザインのものが存在します。

Dad Puzzle (Dad's Puzzle)
20世紀初頭に考案されたパズルで、最も大きなコマを決められた場所へ移動させるのが目的です。

15パズル
15個のコマを使用するパズルです。各コマには1から15までの数字が書かれているのが一般的ですが、16分割された絵柄が描かれているものもあります。
パリティという概念を用いることで、ある状態から解ける配置であるかどうかを判定できます。

Klotski（ポーランド）/赤いロバ（フランス）/華容道（中国）/箱入り娘（日本）
20世紀初頭に生まれ、日本では1930年代に広まりました。最も大きいコマを外に出すことを目指します。

Get my goat
柵の外にいるヤギを柵の中に入れるパズルです。芦ヶ原伸之はこのパズルを基に「ザ・太陽」という作品を制作しました。

TOKYO PARKING・RUSH HOUR
芦ヶ原伸之の作品で、コマの動かせる方向に制限があるのが特徴です。TOKYO PARKINGは日本での商品名、RUSH HOURはアメリカのThink Fun社から発売された際の商品名です。

ON-OFF パズル
こちらも芦ヶ原伸之の作品で、世界パズル選手権でも出題されました。2通りの解答があるうち、より手数の少ない解答を求められます。

「アウト」シリーズ
4つの同じ形のピースのうち、特定のピースを外に出すパズルです。岩沢宏和の作品で、現在4種類が存在します。そのうちの一つ「長方形アウト」は、国際パズルパーティーのデザインコンペで入賞しました。従来のパズルに比べて空所が広く、ピースの回転が認められているのが特徴です。

解析

一部のスライディングブロックパズルでは、ある状態から別の状態へ移動可能かどうかを判定するために、パリティの概念が用いられます。特に15パズルなどでは、パリティによって解ける配置かどうかの判断が可能です。

関連するパズル

アンチスライド問題
指定されたピースを枠内に配置し、すべてのピースがスライドできないようにする問題です。

フライングブロックパズル
2000年代に登場したパズルで、コマをスライドさせる代わりに、持ち上げて別の場所に置き換えます。移動時の回転が認められているなど、通常のスライディングブロックパズルよりも自由度が高くなっています。

参考文献

秋山久義『ボードパズル読本』（新紀元社）ISBN 978-4-7753-0776-2

外部リンク

* The Sliding Block Puzzle Page

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