スライ&ロビー

スライ＆ロビー

スライ＆ロビーは、レゲエのリズムセクションとして知られるデュオで、彼らの音楽は数十年にわたりさまざまなスタイルに影響を与えてきました。元は「レヴォリューショナリーズ」というバンドのメンバーであった彼らは、1970年代の半ばからスライ＆ロビーとして活動を開始しました。この二人の出発点は、ドラマーのローウェル・ダンバー（スライ・ダンバー）とベーシストのロバート・シェークスピア（ロビー・シェイクスピア）です。それぞれ1970年代の初めからキングストンで音楽活動を行い、やがて互いに影響を与え合う関係に発展しました。

スライは「スキン・フレッシュ・アンド・ボーンズ」というバンドで、ロビーは「アグロベーターズ」で活動していました。彼らの関係は、演奏を通じてよくチェックし合う中から自然に発展しました。彼らはスタックスやモータウン、フィリー・ソウル、そして自国のレゲエ音楽を好み、その共通の音楽的志向が二人を結び付けました。

彼らは「チャンネル・ワン」レーベルにおいてレヴォリューショナリーズを結成し、様々な楽曲制作を行っていきました。1980年には自身のレーベル「タクシー」を設立し、独自のスタイルでの楽曲を発表していきました。特に1976年に発表した「ロッカーズ」リズムは、当時の主流であった「ワンドロップ」リズムを一新しました。彼らは後に、このドラムのスタイルが確立されていく過程を思い出し、「ライト・タイム」などの楽曲に大きく寄与しました。

1980年代には「アンメータード・タクシー」リズムや「ラバダブ」スタイルの導入によって、レゲエに新たな風を吹き込みました。さらに、彼らは電子楽器を用いることも早くから取り入れ、革新を続けました。90年代には、チャカ・デマス・アンド・プライヤーズの「バン・バン」や「マーダ・シ・ロート」といった追跡楽曲でのリズム制作が記憶に残ります。

1990年代から2000年代にかけて、スライ＆ロビーはダンスホールレゲエ、ヒップホップ、R&B、ラテン音楽を融合させ、非常に革新的な作品を生み出しました。ビーニ・マンやショーン・ポール、ピーター・トッシュなどの著名なジャマイカのアーティストと共演し、その多くの楽曲の制作にも携わりました。

また、彼らはジャマイカの音楽シーンだけでなく、国際的なアーティストとも深い関わりを持ち、ボブ・ディランやミック・ジャガーを始め、数多くのポップ音楽の製作にも参加しました。タクシー・ギャングというバンドを結成し、音楽活動は30年以上続き、世界中でのツアーやレコーディングを行ってきました。

残念なことに、ロバー・シェイクスピアは2021年12月にこの世を去りましたが、スライ＆ロビーの音楽は今なお多くの人々に愛され続けています。彼らの存在はレゲエ音楽における伝説として語り継がれ、後世への影響を与えているのです。

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