スラー

スラーとは、楽譜に用いられる演奏記号の一つであり、複数の音符を弧で結び、音と音を途切れることなく滑らかにつなげて演奏することを指示する記号です。これは音楽におけるアーティキュレーションの一種として扱われます。

タイとの違い

スラーはタイと見た目が似ていますが、その機能は大きく異なります。タイは同じ音高の音符同士を結び、音を延長させる役割を持ちますが、スラーは異なる音高の音符同士を結び、音を滑らかにつなげる役割を持ちます。

スラーの演奏

スラーで結ばれた音符は、一まとまりのフレーズとして演奏されます。具体的には、スラーの始点から終点までが途切れることなく、一つのまとまりとして聞こえるように演奏します。このため、スラーで結ばれた音符は、終点の音を除いて十分に音を伸ばします。

また、スラーは一つのフレーズを指示することが多く、その場合には音質や音量に段差がないように滑らかに演奏します。フレーズにまとまりを感じさせるために、終点の音を弱くするのが一般的です。また、スラーの始点の音は、フレーズの始まりを意識させるために、若干強く演奏することがあります。

スラーの中で音の上下がある場合には、一般的なフレーズの作り方と同様に、上行する際にはだんだん音を強くし、下行する際にはだんだん音を弱くするなど、音量に変化を持たせることがあります。

楽器別の奏法

スラーは楽器によって具体的な奏法が異なります。例えば、ヴァイオリンなどの擦弦楽器では、スラーは一つの弓で弾くことを意味します。一方、フルートなどの管楽器では、スラーは基本的にタンギングを付けないで演奏することを指示します。

これらの楽器以外でもスラーが使われることがあり、その場合は「音を滑らかにつなげる」という共通の意味を持ちます。

まとめ

スラーは、楽譜において音を滑らかにつなげるための重要な記号であり、演奏表現を豊かにするための要素です。スラーの指示に従うことで、楽曲に流れるような美しい旋律を生み出すことができるのです。

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