スリジエ

スリジエ（cerisier）は、2017年12月に活動を開始した日本の女性アイドルグループです。所属事務所はドリームプロジェクト。「1万人の中から選ばれた正統派美少女アイドルグループ」を掲げ、その名の通り清楚なイメージを前面に出していました。グループ名の「スリジエ」はフランス語で「桜」を意味しており、その名前の響きやモチーフはグループのイメージに深く結びついていました。主な活動拠点として、仮面女子CAFEや仮面女子シアターなど、ドリームプロジェクト関連の常設劇場を中心にライブを行いました。

結成と活動の軌跡

スリジエ誕生への道は、2017年4月にドリームアイドルプロジェクトとしてメンバー募集が始まったことに遡ります。同年5月には東京と大阪で公開二次審査が行われ、選ばれたメンバーによって11月に新ユニットの結成とグループ名「スリジエ～cerisier～」が発表されました。そして、12月10日に仮面女子CAFEで東京のスリジエが、仮面女子シアターで大阪のスリジエWESTがそれぞれデビューライブを行い、本格的な活動がスタートしました。

初期の楽曲プロデュースはYANAGIMAN氏が担当し、衣装はPINK-latteが手掛けるなど、スタートアップから注目を集めました。

グループの構成は多岐にわたり、当初は東京のスリジエが月組、星組、宙組、そしてスリジエWESTが天組、雲組を中心に活動し、さらに候補生やDJなども存在しました。ユニット編成は活動期間中に度々見直され、2018年7月には虹組、2019年4月には風組が新設されるなど、最大で東西合わせて7ユニット体制となる時期もありました。しかし、その後のユニット再編成により、2020年2月には虹組と風組が消滅。2023年1月からは昇格メンバーのユニット所属がなくなり、事実上ユニット制が廃止されるなど、その構成は常に変化を続けました。

派生ユニットと多様な展開

スリジエは、メイングループの活動と並行して様々な派生ユニットを展開しました。2019年8月には選抜メンバーによる「cerisier」が結成され、活動の幅を広げます。2022年に入ると、「G☆2☆L」「ちあっちゃ↑」「スリジエスタ」といった新たな派生ユニットが次々と誕生。さらに、2022年4月からはメンバーを再編した「ベリー7」「メイビー8」という2チーム体制での活動も並行して行われました。2023年2月には、再び選抜ユニットとして「カタクリ娘（コ）伝説」が結成されるなど、メンバーの個性を活かした多様なユニット活動が展開されました。

リリースとメディア活動

スリジエは活動期間中に複数のシングルCDをリリースしました。2018年2月には1stシングル「You are No.1 / スタートライン」を発売。その後も「トレジャーハンター / 恋の呪文～スリジエ～」（2ndシングル）、「ジョバンニ☆ / Dramaticな恋じゃなくていい」（3rdシングル）などを発表しました。特に、派生ユニットcerisier名義でリリースされた「憧憬れロマンチック / クジラの眠る星空に」（4thシングル）や、「未来インビテーション / さくらエール」（5thシングル）、「メイビージュエリー / 泡ユキ電車」（6thシングル）など、様々な楽曲がファンに届けられました。これらの楽曲の一部は、カラオケJOYSOUNDでの配信も行われています。

ライブ活動では、Zepp DiverCity、品川プリンスステラボール、KT Zepp Yokohamaといった主要なライブハウスでのワンマンライブを成功させ、多くの観客を動員しました。

メディア露出も積極的に行い、雑誌『UNIT』での特集記事掲載や、FMやまとでの冠ラジオ番組「スリジエStyle」（2018年4月〜2022年8月）、YES-fmでの「スリジエWESTのサクラジオ」（2020年5月〜2022年4月）など、ラジオ番組でもレギュラー出演を果たしました。また、WALLOP放送局のネット配信番組「ドリームがMORIMORI☆」「プレミアムHR（ホームルーム）」にも出演し、ファンとの交流を深めました。

活動の終焉

グループとしての活動は、2023年に大きな転換点を迎えます。同年3月25日には、スリジエWEST（天組、雲組、候補生）が解散。一部メンバーは「シンセカイヒーロー」へ移籍しました。そして、2023年8月10日には、東京を拠点とするスリジエ本体（月組、星組、宙組、候補生）が同年9月26日をもって活動休止することが発表されました。ラストライブを経てスリジエは活動を終え、所属していたメンバーは派生ユニット「カタクリ娘（コ）伝説」や新グループ「メノニューイヤー」へ移籍することになりました。しかし、その「カタクリ娘（コ）伝説」も2024年4月28日に解散となり、スリジエにルーツを持つ多くの活動が終結しました。

約6年間の活動期間中、スリジエは「正統派美少女アイドル」としてのコンセプトを追求しつつ、目まぐるしく変化するユニット構成や多様な派生ユニット展開、そして積極的なライブ活動やメディア露出を通じて、多くのファンにその存在を知らしめました。その歴史は、日本のアイドルシーンの一側面を映し出すものと言えるでしょう。

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