YANAGIMAN

YANAGIMAN (ヤナギマン) の音楽世界

YANAGIMAN（本名：柳誠一、1960年 11月9日生まれ）は、鹿児島県鹿児島市出身の音楽プロデューサー、作曲家、編曲家、そしてベーシストとして多岐にわたる才能を発揮しています。その音楽キャリアは、単なるアーティストのプロデュースに留まらず、幅広いジャンルでの楽曲制作、さらには教育活動や地域貢献にも及んでいます。

多様な音楽的背景

奄美大島で生まれ育ったYANAGIMANは、幼少期から音楽が身近な環境で育ちました。サイモン&ガーファンクルの音楽に影響を受け、大学時代にはアース・ウィンド・アンド・ファイアーに魅了されるなど、幅広い音楽的ルーツを持っています。ジャズミュージシャンとして活動を始めた後、マサチューセッツ州ボストンのバークリー音楽大学で音楽を学び、その才能を開花させました。大学卒業後は福岡でテレビのレポーターとしても活動しましたが、音楽への情熱は冷めることなく、1995年に東京へ拠点を移し、本格的な音楽活動を開始しました。

幅広いプロデュースワーク

YANAGIMANのプロデュースワークは、ケツメイシ、FUNKY MONKEY BABYSといった人気アーティストの楽曲制作で知られています。彼は、ポップスをベースにしながらも、レゲエやヒップホップなど新しいジャンルを開拓し、その才能を発揮しました。ケツメイシのヒップホップ系楽曲のヒットは、彼のジャンルを超えた音楽への挑戦と情熱の賜物と言えるでしょう。

国内では、CHEMISTRY、Crystal Kay、倖田來未、中島美嘉、加藤ミリヤ、エレファントカシマシ、BoA、Def Tech、平原綾香など、数々の有名アーティストの楽曲提供、編曲、プロデュースを手がけました。また、Usherのリミックスや、香港の歌手への楽曲提供など、海外アーティストとのコラボレーションも行っています。2005年にはケツメイシのアルバム『ケツノポリス4』でダブルミリオンを達成、日本レコード大賞ベストアルバム賞を受賞、2007年にはBoAの『LOVE LETTER』で日本レコード大賞金賞、2011年にはFUNKY MONKEY BABYSの『それでも信じてる』で日本レコード大賞優秀作品賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。2013年までに彼が関わった作品の累積出荷枚数は2,000万枚以上に達しています。

ウクレレへの情熱

YANAGIMANは、ウクレレにも深い愛情を注いでいます。サザンオールスターズの関口和之と『1933ウクレレオールスターズ』を結成し、バンマスを務めています。高木ブー、野村義男、荻野目洋子など、多彩なメンバーと共にウクレレの魅力を広めています。2020年にはNHK BS1スペシャル「外出自粛の夜に〜ウクレレでリレー音楽会」に出演し、自宅からウクレレとコントラバスの演奏を披露しました。

地域貢献と教育活動

音楽活動の傍ら、YANAGIMANは地域貢献活動にも力を入れています。燦々ぬまづ大使（静岡県沼津市PR大使）、長浜ブランドアンバサダー（滋賀県長浜市PR大使）、奄美観光大使（鹿児島県奄美大島PR大使）、JOIN大使（一般社団法人移住交流推進機構PR大使）など、様々な大使を務め、地域活性化に貢献しています。また、洗足学園音楽大学客員教授、松実高等学園顧問として、次世代の音楽家の育成にも尽力しています。

その他の活動

2019年には、カンボジアの孤児院への寄付を目的として、島谷ひとみに新曲を書き下ろし、パシフィコ横浜で披露しました。2021年には、島谷ひとみとMINMIによるスペシャルユニットに楽曲を提供しました。

主な代表作

YANAGIMANが手掛けた主な代表作には、以下のような楽曲があります。

FUNKY MONKEY BABYS: 『それでも信じてる』、『ありがとう』
BoA: 『LOVE LETTER』、『make a secret』、『DO THE MOTION』
ケツメイシ: 『バラード』、『さくら』、『トモダチ』、『夏の思い出』、『涙』
中島美嘉: 『素直なまま』
倖田來未: 『Lies』
CHEMISTRY: 『FLOATIN'』、『愛しすぎて』、『STILL ECHO』
ゴスペラーズ: 『1,2,3 for 5』、『くれないの街』、『見つめられない』、『愛のシューティング・スター』
エレファントカシマシ: 『俺たちの明日』、『大地のシンフォニー』

音楽性のルーツ

YANAGIMANの音楽性のルーツは、生まれ故郷の奄美大島や、母の実家がある石垣島にあると語っています。父親は警察官で、厳格な人物でしたが、その父への反発や、愛されたいという感情が彼の音楽性に影響を与えているといいます。また、両親が三線の先生をしていたこともあり、沖縄音楽にも深く影響を受けています。森永製菓のテレビCMや、サイモン&ガーファンクルの音楽との出会い、そして多重録音の試みが、音楽制作の原点になったと語っています。

デジタルへの適応

コンピューター好きだったYANAGIMANは、いち早くデジタルレコーディングを取り入れ、それがヒットを生み出す要因になったと述べています。1990年代後半からのデジタル音楽への移行は、彼にとって大きな転機となり、黒人音楽やR＆Bの流行に乗ることができたといいます。また、サザンオールスターズの関口和之との出会いから、ジャンルにとらわれないエンターテイメント性を学び、それをケツメイシの音楽に活かしたと語っています。