スリークッション

スリークッションビリヤードの概要

スリークッションは、ビリヤードの一形態で、キャロムビリヤードに分類されるゲームです。この競技では、一つの赤球と二つの白球（そのうちの一つは区別のために黄色に塗装されています）を用いてプレイします。通常、使用するテーブルは10フィートの大きさが一般的です。

ゲームのルールと進行

スリークッションでは、プレイヤーは白球のいずれかをキューで撞いて、他のボールに当てることで得点を狙います。この際、最初にタッチしたボールは「第1的玉」、次に当たったボールは「第2的玉」と呼ばれます。得点を獲得するためには、手玉が第2的玉に触れる前に最低3回、クッションにバウンドさせる必要があります。これがゲームの名前の由来である「スリークッション」に繋がります。

得点の価値はどのような状況でも一点に設定されており、反則が行われた場合にはその得点は失われます。ただし、反則が発生しない限り、得点したプレイヤーは次のショットを行うことができます。得点できなかった場合は、そのイニングが終了し、交代となります。また、一般的な反則にはペナルティがなく、これによりプレイヤーは得点を維持したまま次のプレイヤーと交代することが可能です。ゲームは、いずれかのプレイヤーが所定の点数に達するか、設定されたイニング数が終了した段階で終了します。

特徴

スリークッションは非常に難易度の高いゲームで、そのため得点を決めるのが難しいと評されています。アマチュアのトップ選手でも、ゲームのショット成功率は約50％程度であり、一般には1イニングあたり1点の得点が一般的です。初心者が最初にゴールすることは至難の業である一方で、1点得点した際の喜びは特に大きく、そのため多くの初心者にも楽しめるゲームとなっています。実力差があるプレイヤー同士でも、適切なハンデを設定することで楽しみやすいのもこのゲームの特徴です。

さらなる奥深さを持ちながらも、決して入門が難しいゲームではありません。初心者は基本的なショットの取り方を習得することで、得点を重ねられます。また、観戦することで他人のゲームを楽しむこともできるでしょう。

プレイ中の球の動きは、そのテーブルのクッションの特性、ラシャやボール表面の状態などに影響されるため、上級者にはそれらの要素を読み取る力が求められます。特にボールやラシャの条件はゲームの進行中に変化するため、高度な技術が必要となります。テーブルのコンディションを保つため、スリークッションのテーブルにはヒーターが内蔵され、常に加熱された状態がキープされています。

歴史

スリークッションの起源は1870年代にさかのぼるとされ、最初のトーナメントは1878年にセントルイスで行われました。その後、アメリカを経て国際的に広がっていき、今ではスリークッションはキャロムビリヤードの中で最も人気を持つ競技となっているのです。特にヨーロッパでの人気が高く、アジアでも日本と韓国で広く行われています。また、世界選手権やワールドカップといった国際大会も多数開催されており、2006年のドーハアジア大会では日本代表の梅田竜二選手が金メダルを獲得しました。

国内では日本プロビリヤード連盟（JPBF）や世界ビリヤード連盟（UMB）、ヨーロッパビリヤード連盟（CEB）といった正式な競技団体が存在します。これらの団体を通じて、様々な大会や試合が盛況に行われています。

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