スリーピー・ジョン・エスティス
スリーピー・ジョン・エスティス、本名ジョン・アダム・エスティスは、1899年（異説あり）テネシー州リプリーの小作農家に生まれました。16人兄弟の一人として、幼少期から畑仕事に携わりました。6歳の時、友人の投げた石が目に当たり、右目を失明、左目にも障害が残るという悲劇に見舞われました。しかし、この出来事がきっかけとなり、音楽に興味を持つようになります。父親からギターを教わり、自作の楽器で演奏を始め、15歳でブラウンズヴィルへ移住しました。
1929年、メンフィスでの初レコーディングを機に、音楽キャリアを本格的にスタートさせました。このセッションには、後の盟友ヤンク・レイチェルが参加していました。翌年にかけて数々のセッションを重ね、「Diving Duck Blues」などの作品を生み出しましたが、その後しばらくはレコーディングの機会に恵まれませんでした。
1934年にシカゴへ移住し、翌年、ハミー・ニクソンとデッカ・レコードのセッションに参加したことが転機となり、再び精力的に活動を開始し人気を得ました。1937年と1938年には、ニューヨークでのレコーディングも経験しています。しかし、1941年、カントリー・ブルースの流行が下火になると、音楽活動から一時的に身を引き、故郷で小作人としての生活に戻りました。
1960年代、カントリー・ブルースのリバイバルブームが起こる中、エスティスは再評価され、再び演奏活動を始めました。この時までに、彼は視力を完全に失っていましたが、ニューポート・フォーク・フェスティバルなどに出演し、デルマーク・レコードから新作アルバムを発表。デビュー前のマイク・ブルームフィールドが参加した「Broke and Hungry」など、話題作をリリースしました。1964年と1968年には、ヨーロッパツアーも行っています。
1970年代に入っても、エスティスの活動は衰えることなく、ライ・クーダーのアルバムで自身の曲がカバーされ、ボーカルとギターを担当しました。1973年には、日本でもブルースブームが起こり、彼のアルバムがオリコンチャートにランクインするほどのヒットを記録しました。
1974年、エスティスは「第1回ブルース・フェスティバル」のため、ハミー・ニクソンとともに初来日。カントリーブルースマンとして初めての来日公演となり、大きな反響を呼びました。1976年にも再来日し、憂歌団とのジョイントツアーを成功させました。この時のライブ音源はLPとしてリリースされ、後に映像化もされています。
しかし、来日公演からわずか半年後の1977年6月5日、エスティスは脳梗塞により死去しました。テネシー州ダーラムヴィルの教会に埋葬されました。
"スリーピー"というニックネームの由来は、彼の特異な習慣に起因します。昼夜を問わず、居眠りをしてしまうことが多かったため、そう呼ばれるようになったとされています。この習慣は、ナルコレプシー、血圧障害、またはてんかんによるものだと推測されています。演奏時以外は、常に眠っていたという証言もあります。また、幼少期の目の怪我によって、常に眠たそうな表情に見えたから、という説もあります。
エスティスの音楽は、カントリー・ブルースの原点に触れるものであり、後世のミュージシャンたちに多大な影響を与えました。彼の音楽は、今もなお多くの人々に愛され続けています。
主なオリジナルアルバム
1962年 - The Legend of Sleepy John Estes (Delmark)
1964年 - Broke and Hungry (Delmark)
1966年 - In Europe (Delmark)
1968年 - Electric Sleep (Delmark)
1969年 - Brownsville Blues (Delmark)
1977年 - Blues Is A-Live (Trio)
2008年 - On 80 Highway (Delmark)
主な編集盤
1967年 - 1929-1940 (Smithonian Folkways)
1970年 - Down South Blues (1935-1940) (MCA)
1990年 - Complete Recorded Works Vol. 1 (1929-1937) (Document)
1990年 - Complete Recorded Works Vol. 2 (1937-1941) (Document)
1992年 - I Ain't Gonna Be Worried No More 1929-1941 (Yazoo)
1997年 - Someday Baby (Indigo)
1998年 - Goin’ to Brownsville (Testament)
主な映像作品
* 2005年 - SHOWBOAT CARNIVAL 1976日比谷野音＋BLUES is A-LIVE JAPAN TOUR 1976 (Dead Flowers)
1929年、メンフィスでの初レコーディングを機に、音楽キャリアを本格的にスタートさせました。このセッションには、後の盟友ヤンク・レイチェルが参加していました。翌年にかけて数々のセッションを重ね、「Diving Duck Blues」などの作品を生み出しましたが、その後しばらくはレコーディングの機会に恵まれませんでした。
1934年にシカゴへ移住し、翌年、ハミー・ニクソンとデッカ・レコードのセッションに参加したことが転機となり、再び精力的に活動を開始し人気を得ました。1937年と1938年には、ニューヨークでのレコーディングも経験しています。しかし、1941年、カントリー・ブルースの流行が下火になると、音楽活動から一時的に身を引き、故郷で小作人としての生活に戻りました。
1960年代、カントリー・ブルースのリバイバルブームが起こる中、エスティスは再評価され、再び演奏活動を始めました。この時までに、彼は視力を完全に失っていましたが、ニューポート・フォーク・フェスティバルなどに出演し、デルマーク・レコードから新作アルバムを発表。デビュー前のマイク・ブルームフィールドが参加した「Broke and Hungry」など、話題作をリリースしました。1964年と1968年には、ヨーロッパツアーも行っています。
1970年代に入っても、エスティスの活動は衰えることなく、ライ・クーダーのアルバムで自身の曲がカバーされ、ボーカルとギターを担当しました。1973年には、日本でもブルースブームが起こり、彼のアルバムがオリコンチャートにランクインするほどのヒットを記録しました。
1974年、エスティスは「第1回ブルース・フェスティバル」のため、ハミー・ニクソンとともに初来日。カントリーブルースマンとして初めての来日公演となり、大きな反響を呼びました。1976年にも再来日し、憂歌団とのジョイントツアーを成功させました。この時のライブ音源はLPとしてリリースされ、後に映像化もされています。
しかし、来日公演からわずか半年後の1977年6月5日、エスティスは脳梗塞により死去しました。テネシー州ダーラムヴィルの教会に埋葬されました。
"スリーピー"というニックネームの由来は、彼の特異な習慣に起因します。昼夜を問わず、居眠りをしてしまうことが多かったため、そう呼ばれるようになったとされています。この習慣は、ナルコレプシー、血圧障害、またはてんかんによるものだと推測されています。演奏時以外は、常に眠っていたという証言もあります。また、幼少期の目の怪我によって、常に眠たそうな表情に見えたから、という説もあります。
エスティスの音楽は、カントリー・ブルースの原点に触れるものであり、後世のミュージシャンたちに多大な影響を与えました。彼の音楽は、今もなお多くの人々に愛され続けています。
主なオリジナルアルバム
1962年 - The Legend of Sleepy John Estes (Delmark)
1964年 - Broke and Hungry (Delmark)
1966年 - In Europe (Delmark)
1968年 - Electric Sleep (Delmark)
1969年 - Brownsville Blues (Delmark)
1977年 - Blues Is A-Live (Trio)
2008年 - On 80 Highway (Delmark)
主な編集盤
1967年 - 1929-1940 (Smithonian Folkways)
1970年 - Down South Blues (1935-1940) (MCA)
1990年 - Complete Recorded Works Vol. 1 (1929-1937) (Document)
1990年 - Complete Recorded Works Vol. 2 (1937-1941) (Document)
1992年 - I Ain't Gonna Be Worried No More 1929-1941 (Yazoo)
1997年 - Someday Baby (Indigo)
1998年 - Goin’ to Brownsville (Testament)
主な映像作品
* 2005年 - SHOWBOAT CARNIVAL 1976日比谷野音＋BLUES is A-LIVE JAPAN TOUR 1976 (Dead Flowers)
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