スリー・パゴダ・パス

スリー・パゴダ・パスの魅力

スリー・パゴダ・パスは、タイのカーンチャナブリー県にある国境の峠で、ミャンマーのカレン州との境に位置しています。この地はタイのカーンチャナブリーから北北西に約230キロ、サンクラブリーの中心部からさらに22キロの地点にあります。三つの仏塔が並ぶこの場所は、日本語では「三仏峠」として知られ、タイ語や英語でも同様の意味を持ちます。ミャンマー側では「パヤトンズー」と呼ばれ、国境付近に点在する仏塔がこの名称の由来となっています。これらの仏塔は、カーンチャナブリーの県章にもあしらわれています。

歴史的背景

この地域は、上座部仏教がタイに伝わる際の重要な通路とされています。アユタヤー王朝時代には、ビルマ軍による侵攻時にもこの峠が利用され、旧日本軍もここを通過して進入しました。また、泰緬鉄道の一部もここを経由しており、歴史的な意義を持つ場所です。

1990年代前半には、ミャンマーの反政府勢力である全ビルマ学生民主戦線（ABSDF）のキャンプが設置されていましたが、政府軍の襲撃により壊滅しました。その後は、ミャンマーから逃れてきたモン族やカレン族の難民が周辺の山中に住んでいました。しかし、近年は両国政府による観光開発が進み、徐々にその姿を変えつつあります。

観光地としての変貌

観光地としてのスリー・パゴダ・パスは、今や多くの見どころが整備され、観光施設や土産物店が並んでいます。外国人観光客は日帰りツアーを通じてミャンマー領内を訪れることが可能で、ミャンマー側も活気付いています。特に国境付近には、泰緬鉄道の線路跡を活用した観光施設が新たに誕生しました。

ただし、タイ側からミャンマーに入国した際には、他の地域には進むことができません。また、政治的な事情により国境が閉鎖されることもありますので、訪問の際は最新の情報を確認することが重要です。たとえば、2007年には閉鎖されていましたが、2015年には日帰り観光が再開されました。

一般的に、週末にはタイ側からの観光ツアーに参加し、国境の近くでテントを張る業者に申し込みをする方法が多いです。

スリー・パゴダ・パスは、文化、歴史、自然を楽しむことができる貴重なスポットです。訪れることで、この地域の多様な背景を体感できるでしょう。

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