スレッズ (シェリル・クロウのアルバム)

シェリル・クロウ『スレッズ』：音楽の絆を紡ぐ集大成的アルバム

『スレッズ』（Threads）は、アメリカのシンガーソングライター、シェリル・クロウが2019年8月30日にリリースした11枚目のスタジオアルバムです。Big Machine Recordsからの発売となりました。

このアルバムは、クロウが長年敬愛する音楽的英雄や、次世代を担う若手アーティストなど、数多くの音楽仲間たちとの共同作業によって実現した、まさに集大成と呼ぶにふさわしい作品です。クロウ自身も、『スレッズ』が個々の楽曲リリースに焦点を当てるという意味で、最後のアルバムになる可能性があると語っています。

多彩なゲストとジャンルを超えた音楽性

『スレッズ』は、カントリー、ブルース、ロックなど、多様なジャンルが融合した、非常にバラエティに富んだ内容となっています。その音楽性をさらに彩るのは、豪華なゲスト陣の参加です。

アルバムに先駆けてリリースされた楽曲だけでも、セイント・ヴィンセント、ジョニー・キャッシュ、ボニー・レイット、メイヴィス・ステイプルズ、スティーヴィー・ニックス、マレン・モリス、ジョー・ウォルシュ、ジェイソン・イズベル、クリス・ステイプルトン、チャックD、ゲイリー・クラークJr.、アンドラ・デイなど、錚々たるミュージシャンたちが名を連ねています。

これらのアーティストとのコラボレーションは、単なる客演に留まらず、それぞれの個性が光る楽曲として昇華されています。例えば、「リデンプション・デイ」では、1996年にクロウ自身が発表した楽曲を、故ジョニー・キャッシュの歌声とともに新たに蘇らせています。

また、「ライヴ・ワイヤ」では、ボニー・レイットとメイヴィス・ステイプルズというブルース界の重鎮たちをフィーチャーし、力強いボーカルの掛け合いを聴かせてくれます。さらに、「プル―ヴ・ユー・ラング」では、スティーヴィー・ニックスとマレン・モリスという世代を超えた女性アーティストとの共演が実現し、カントリーロックの新たな魅力を引き出しています。

プロモーション活動と商業的成功

クロウは、『スレッズ』のプロモーションのために、数多くのテレビ番組や音楽フェスティバルに出演しました。2019年のCMTミュージック・アワードでは、マレン・モリスとともに「プル―ヴ・ユー・ラング」を披露し、グラストンベリー・フェスティバルでは、「プル―ヴ・ユー・ラング」と「スティル・ザ・グッド・オールド・デイズ」を演奏しました。

アルバムは、ビルボードのトップ・カントリー・アルバム・チャートで2位を獲得し、商業的にも成功を収めました。アメリカ国内での売上は、2020年3月までに49,200枚に達しています。

収録曲とパーソネル

『スレッズ』には、クロウ自身が作詞作曲、または共作したオリジナル曲に加え、ボブ・ディランの「エヴリシング・イズ・ブロークン」など、4曲のカバーが収録されています。アルバムのプロデュースは、スティーヴ・ジョーダンが担当しています。

アルバムには、各楽曲に参加したミュージシャンの詳細なパーソネル情報が記載されています。そこからも、このアルバムが、多くのミュージシャンたちの才能と情熱が結集した作品であることが伺えます。

『スレッズ』は、シェリル・クロウの音楽キャリアにおける重要なマイルストーンであると同時に、彼女が音楽を通じて築き上げてきた絆の証とも言えるでしょう。

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