スロボダ

スロボダとは

スロボダ（слабада́, слобода́）は、ロシア、ウクライナ、ベラルーシにおける歴史的な地理的概念で、特定の集落や都市内の地域を指します。この言葉の語源は、スロボダの住民が何らかの納税義務を免除されていたことに由来します。例えば、ロシア語の「свобода」は「自由」を意味します。

本稿では、特に集落としてのスロボダについて詳しく解説します。都市内のスロボダについてはru:слобода#слободы в городах、スロボダの住民についてはru:слободские людиを参照してください。

スロボダの概念と変遷

スロボダという言葉は、10世紀から11世紀に初めて登場し、12世紀から広く使われるようになりました。12世紀から18世紀前半にかけて、スロボダは国家や封建領主への納税義務を一時的に免除された集落（要塞を含む）を指しました。ただし、これは完全かつ永久的な免除ではなく、状況に応じて免除内容は変更されました。

スロボダへの最初の移住者たちは、ポダチ（人頭税）や兵役を免除されていました。これらの多くはコサックによって開拓された新興の土地であり、免税措置がその発展を後押ししていました。

しかし、18世紀前半にはスロボダへの免税制度は廃止され、スロボダは単なる村や都市型の集落を意味するようになりました。1900年頃の百科事典では、スロボダは「一つ以上の教会がある、もしくは定期市（ヤルマルカ）が開かれる、もしくは郡役所がある大きな村」と定義され、さらに「農業はほとんど行われず、工場を持つ工業村」とも説明されました。

スロボダの歴史的な役割

スロボダは、初期には免税措置によって新たな開拓地を形成し、人口を増加させる役割を果たしました。コサックによる開拓が進む中で、スロボダは重要な拠点となり、地域の発展に貢献しました。しかし、免税制度が廃止されると、スロボダは他の集落と同様の存在となり、工業化が進むにつれてその性格も変化していきました。

スロボダに関連する用語

スロボダ・ウクライナ: スロボダに由来する名称を持つウクライナの歴史的地域。スロボダがこの地域の発展に大きな影響を与えたことを示しています。
ネメツカヤ・スロボダ: 帝政ロシア時代のモスクワなどに存在した外国人居住地で、ある程度の自治権を持っていました。スロボダの概念が、外国人の居住区にも影響を与えていたことがわかります。
免: 日本史における租税およびそれに基づく行政区画や地名。スロボダにおける免税措置は、日本史における「免」の概念とも比較することができます。

参考文献

Снегирёв В. Л. Московские слободы / Художник П. Зубченков. — М.: Московский рабочий, 1947. — 156 с.
Романюк С. К. По землям московских сёл и слобод. — М.: Сварог, 1999. публикация
Большая Советская Энциклопедия(второе издание)/ Б. А. Введенский. — М: Большая Советская Энциклопедия, 1956 г.
* Архитектурные ансамбли Москвы XV — начала XX веков/ Т. Ф. Саваренская. — М.: Стройиздат, 1997 г.


スロボダは、その歴史的変遷を通じて、地域の経済発展や社会構造に大きな影響を与えた概念です。その起源と発展を理解することで、東ヨーロッパの歴史に対する理解を深めることができるでしょう。

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