スロヴァキア放送交響楽団

スロヴァキア放送交響楽団

スロヴァキアの首都ブラチスラヴァに本拠を置くスロヴァキア放送交響楽団（スロヴァキア語: Symfonický orchester Slovenského rozhlasu）は、同国に存在するオーケストラの中で最も長い歴史を持つ団体です。「スロヴァキア放送ブラティスラヴァ交響楽団」という別称でも知られており、スロヴァキアの公共放送機関であるスロバキア放送（Slovenský rozhlas）によって運営されています。

設立と歩み

楽団は1929年、スロバキア放送のラジオ放送のために演奏を提供する団体として設立されました。活動の初期段階では、アレクサンデル・モイゼス、エウゲン・スホニュ、ヤーン・ツィケルといった、当時のスロヴァキアを代表する現代作曲家たちの作品がプログラムの中心を占めていました。

設立から年月を経て、楽団はその規模を徐々に拡大させていきました。そして1942年には、当時スロヴァキア放送の音楽監督を務めていたアレクサンデル・モイゼスの主導のもと、一般向けの定期公演を開始するとともに、放送局を通じて演奏をラジオで放送する取り組みも始められました。これにより、楽団の活動はより多くのリスナーに届けられるようになりました。

指揮者たち

スロヴァキア放送交響楽団の歴史を彩る指揮者たちは数多く、歴代の首席指揮者としては、クレシミル・バラノヴィッチ、ルドヴィート・ライテル、ラディスラフ・スロヴァーク、ビストリーク・レジュハ、オンドレイ・レナールト、ロベルト・スタンコフスキー、オリヴェル・ドホナーニ、マリオ・コシック、ピーター・ヴァレントビッチらが名を連ねています。特にオンドレイ・レナールトは、2019年からは再び首席指揮者として楽団の指揮台に立っています。

また、過去の長い期間にわたり、楽団は「チェコスロバキア放送交響楽団」（Czecho-Slovak Radio Symphony OrchestraやCSR Symphony Orchestra in Bratislavaとも呼ばれていました）として活動していました。国際的な交流もあり、2009年から2010年にかけては、日本人指揮者の川本貢司が客演指揮を務めたことも記録されています。

活発な録音活動

スロヴァキア放送交響楽団は、これまでに非常に多くの録音を制作してきました。主なリリース先としては、スロヴァキア国内のクラシック音楽レーベルであるオーパス（Opus）があります。加えて、廉価版レーベルとして世界的に知られるナクソス（Naxos）や、その姉妹レーベルであるマルコ・ポーロ（Marco Polo）からも膨大な数のアルバムがリリースされており、その録音総数は200枚近くに及んでいます。この豊富なディスコグラフィは、楽団の演奏活動の幅広さと、国際的なプレゼンスを示しています。

スロヴァキアの他の主要オーケストラ

スロヴァキア国内には、スロヴァキア放送交響楽団以外にも重要なオーケストラが存在します。例えば、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団や、東部の都市コシツェに拠点を置くスロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団などが挙げられます。これらのオーケストラは、それぞれ独自の活動を通じてスロヴァキアの音楽文化の発展に貢献しています。

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