スージー・バーニング

スージー・マクスウェル・バーニング

スージー・マクスウェル・バーニング氏（Susie Maxwell Berning、1941年7月22日 - 2024年10月2日）は、アメリカ合衆国を代表する元女子プロゴルファーである。1964年からLPGAツアーで活躍し、通算11回の優勝を記録。特にゴルフ界最高峰とされるメジャー選手権において、4度の栄冠に輝いたことで知られている。プロ転向後の数年間、具体的には1964年から1968年までは、結婚前の姓であるスージー・マクスウェルとしてプレーしていた。

幼少期からアマチュア時代

バーニング氏はカリフォルニア州パサデナに生を受けた。13歳の時、家族とともにオクラホマ州オクラホマシティへ転居。15歳でゴルフを始めた彼女は、短期間で目覚ましい才能を発揮する。高校時代には、オクラホマ州高校選手権で3年連続優勝という前人未聞の快挙を達成した。また、アマチュアゴルファーとしても優れた実績を残しており、1959年から1961年にかけてオクラホマシティ女子アマチュア選手権を3年連続で制覇。1963年にはオクラホマ州女子アマチュア選手権でも勝利を収めている。

学業においては、オクラホマシティ大学からゴルフ奨学金を得て進学。当時の大学スポーツにおいて、ゴルフの男子チームの一員として公式戦でプレーした初めての女性アスリートという、歴史的な足跡を残した。大学生活では、学生社交団体であるアルファ・ファイ・ソロリティのメンバーとしても活動した。

プロキャリア

1964年にプロ転向を果たしたバーニング氏は、同年からLPGAツアーに参戦。ルーキーシーズンからその才能を開花させ、その年の最も活躍した新人に贈られるLPGAルーキー・オブ・ザ・イヤーに見事選ばれた。プロ初優勝は、翌1965年のマスコギー・シヴィタン・オープンだった。

バーニング氏のキャリアにおける最大の特筆すべき点は、メジャー大会での卓越した勝負強さである。通算11勝のうち、4勝がメジャー選手権という驚異的な記録を残した。具体的には、1965年の女子ウェスタンオープンを制覇し、自身初のメジャータイトルを獲得。さらに、ゴルフ界で最も権威ある大会の一つとされる全米女子オープンでは、1968年、1972年、1973年と、異なる年代で計3度の優勝を飾った。全米女子オープンでの3勝は、LPGAツアーの歴史上でも数少ない偉業であり、彼女のトップレベルでの息の長い活躍と、プレッシャーのかかる大舞台での強さを証明している。

キャリアの後半、特に20代後半以降は、以前ほどの安定したフォームを維持するのに苦労する時期もあった。マネーランキングでトップ10入りを果たしたのは1969年が最後となるなど、全盛期のような圧倒的な強さを常に発揮できたわけではなかった。

しかし、バーニング氏は決してフルタイムで全ての試合に出場するスタイルではなかったにも関わらず、長期間にわたりLPGAツアーに選手として登録され続けた。1995年には13試合に出場するなど、キャリアの晩年までツアーに貢献し、最終的にLPGAツアーへの選手としての参加は1996年が最後となった。

選手としてのキャリアを終えた後は、ゴルフの指導者として第二の人生を歩んだ。ニコラス・フリック・ゴルフ・アカデミーをはじめ、カリフォルニア州パーム・スプリングスのリザーブ・クラブやコロラド州アスペンのマルーン・クリーク・カントリー・クラブなどで、後進の育成に尽力した。単に技術指導にとどまらず、人間性やプロフェッショナリズムを重視した指導法は、多くのゴルファーに影響を与え、尊敬される指導者としての評価を確立した。

私生活では、ロビン・ドクターとシンディ・モルチャニーという二人の娘に恵まれた。

晩年とレガシー

長年の輝かしい功績が認められ、2021年にはゴルフ界最高の栄誉の一つである世界ゴルフ殿堂入りを果たした。これは、彼女の選手としての実績と、ゴルフ界への貢献が広く認識された証である。

全米ゴルフ協会が発表したところによると、スージー・マクスウェル・バーニング氏は2024年10月2日、83歳でその生涯を閉じた。メジャー4勝を含む通算11勝という記録、特に全米女子オープンでの3度の優勝は、LPGAツアーの歴史に燦然と輝く偉業として刻まれている。また、女子ゴルフの先駆者として、そして優れた指導者として、彼女がゴルフ界に残した影響は計り知れない。

もう一度検索