スーダン・ディナール

スーダン・ディナールは、1992年6月8日から2007年1月10日までの期間、スーダンで使用されていた通貨です。この通貨は、それまで使用されていたスーダン・ポンド（第一次）に代わって導入されました。

導入時の交換レートは、1ディナールが10スーダン・ポンドに相当しました。これは、旧通貨から新通貨への円滑な移行を目的とした措置でした。この移行に伴い、様々な額面の硬貨と紙幣が発行されました。

硬貨には、1/4、1/2、1、2、5、10、20、50ディナールがありました。一方、紙幣には5、10、25、50、100、200、500、1000、2000、5000、10000ディナール札が発行されました。これらの硬貨と紙幣は、当時のスーダンにおける経済活動を支える重要な役割を担いました。

しかし、2007年1月10日、スーダンでは再び通貨改革が行われました。この改革で、第二スーダン・ポンド（SDG）が導入され、1ポンドが100ディナールに相当するレートで交換されました。この時、スーダン銀行は商業銀行を通じて新しい通貨の配布を開始し、南スーダン地域へも紙幣を送付しました。

移行期間として、ポンドとディナールは6ヶ月間、法定通貨として併用されました。しかし、この期間中に商業銀行で小切手を現金化する際には、ポンドでの払い戻しが行われました。これは、新しい通貨への移行を促進し、旧通貨の使用を段階的に縮小させるための措置でした。

そして、6ヶ月の経過期間を経て、スーダン・ディナールは流通停止となりました。2007年7月1日には、第二スーダン・ポンドが唯一の法定通貨となり、スーダン・ディナールはその役割を終えました。

この通貨の変遷は、スーダンの経済状況や政治情勢を反映するものであり、通貨史を研究する上で重要な事例と言えるでしょう。スーダン・ディナールの導入から廃止までの過程は、通貨改革がどのように行われ、その影響がどのように現れるのかを示す貴重な例です。

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