スーパーキャンディーズ

スーパーキャンディーズ（正式名：SUPER・CANDIES、略称：スパキャン）は、昭和を代表する人気アイドルグループ「キャンディーズ」のファンによって組織された、私設のファンクラブです。

概要

このグループがいつ、どのような経緯で設立されたのか、その詳細は明確ではありません。しかし、キャンディーズの代表曲の一つである「年下の男の子」が大ヒットし、グループの人気が爆発していた1975年の秋から冬にかけての時期には、既に熱心な活動を行っていたことが確認されています。

組織体制としては、特定の幹部によって運営されていたことが分かっています。初期の構成としては、会長が北東京支部長を兼任し、その他に副会長兼埼玉支部長、経理担当兼南東京支部長、そして神奈川支部長といった役職が設けられていました。このように、初期段階から東京を中心とした地域的な組織構造を持っていたようです。

活動とエピソード

スーパーキャンディーズの活動は、他の一般的なファンと同様にキャンディーズを応援することでしたが、その中でも特に熱心な「追っかけ活動」で知られていました。例えば、TBSホールで行われていた人気ラジオ番組『ヤングタウンTOKYO』の公開生放送では、彼らは頻繁に観覧に訪れる常連客でした。番組観覧のための整理券を前夜から求めて並ぶファンの列の中でも、スパキャンメンバーは常に先頭に近い位置にいたと言われています。

「ハートのエースが出てこない」がヒットしていた頃、スーパーキャンディーズの会員数は約50名程度であったと記録されています。しかし、その後は活動範囲を全国規模に拡大し、最終的には公式ファンクラブ以外の私設ファンクラブとしては最大規模を誇っていたと、彼ら自身が語っています。

一方で、彼らの追っかけ活動の中には、問題視される行為も含まれていました。特に、キャンディーズを乗せた車をオートバイで追いかけるといった、危険を伴う迷惑行為を行っていたことは、関係者の間で知られています。

公式ファンクラブとの関係

スーパーキャンディーズは、キャンディーズの所属事務所である渡辺プロダクションが公認する公式ファンクラブ、「渡辺プロ友の会キャンディーズファンクラブ」に対して、強い対抗意識を持っていました。単なるライバル意識を超え、公式ファンクラブ、特に当時の総帥であった松山正明氏に対しては、真の「敵」であるかのような感情を抱いていたと伝えられています。

この敵対感情を象徴するエピソードとして、船橋ヘルスセンターでの出来事があります。松山氏が「ファンはひとつ」という理念のもと、私設ファンクラブとの良好な関係構築を目指し、スーパーキャンディーズのメンバーに「活動資金の足しにしてほしい」と現金を渡そうとしたところ、彼らはこれを強く拒絶し、猛反発しました。この一件は、スパキャン側の公式ファンクラブや松山氏に対する不信感や憎悪をさらに深める結果となったとされています。

当時のファン界隈では、松山氏の「ファンはひとつ」というポリシーのもと、組織の垣根を越えた連携が積極的に模索されており、「全国キャンディーズ連盟」として数多くのファンクラブが統一化されつつある時期でもありました。しかし、スーパーキャンディーズは当初、この流れにも抵抗を示していたようです。

和解と活動停止

長らく敵対関係にあった両者ですが、キャンディーズが解散を宣言した後の状況は変化します。解散に向けて様々な動きが加速する中で、スーパーキャンディーズ側は松山氏のファンへの深い愛情や情熱に触発され、かつての態度を改めて歩み寄りを見せました。最終的には、解散という共通の目標に向かって、公式・私設の枠を超えて協力して活動を進めることになります。

キャンディーズが解散した1978年4月4日以降、多くのファンクラブと同様にスーパーキャンディーズもその活動を停止しました。キャンディーズを熱狂的に応援し、独自の道を歩んだ私設ファンクラブの一つとして、その存在は語り継がれています。

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