スーパーストリートファイターIV アーケードエディション

スーパーストリートファイターIV アーケードエディション（スパIV AE）

『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』（通称：スパIV AE）は、カプコンとディンプスが共同開発し、2010年12月16日にアーケードゲームとして稼働を開始しました。その後、ゲームバランスなどを調整した『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション Ver.2012』へとアップデートされ、格闘ゲームファンから高い支持を得ました。

リリースと展開

2010年4月28日にPlayStation 3/Xbox 360版『スーパーストリートファイターIV』（以下『スパIV』）が発売された後、アーケード移植版である『スパIV AE』が発表され、同年夏にロケテストが行われました。そして、同年12月16日からアーケードでの稼働が開始されました。

さらに、Windows版も2011年7月5日に北米、同年7月8日には北欧で発売されました。PC版は『ストリートファイターIV』（以下『ストIV』）と同様にWindows Liveに対応し、DLCはマイクロソフトポイントで購入する形式でした。日本国内では未発売でしたが、一部のゲームショップやAmazonなどで購入可能でした。SteamやGamersGateでも購入でき、北米版、北欧版ともに日本語Windows上で動作し、日本語表示と日本語音声にも対応していました。インストール後はディスク無しでプレイ可能で、家庭用ハード版よりもデータの読み込みが速いという特徴がありました。

2011年にはPlayStation 3/Xbox 360への移植版も発売され、『スパIV』所有者向けのダウンロード版がXbox Liveで6月7日に、PlayStation Storeで7月6日に配信開始されました。同年6月30日には単体パッケージ版も販売されました。

また、2011年7月30日から8月1日にかけてアメリカ・ラスベガスで開催された格闘ゲーム大会「EVO 2011」にて、プロデューサーの小野義徳氏から『スパIV AE』のバランス調整版である『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション Ver.2012』の制作が発表されました。2011年8月26日から10月1日にかけてロケテストが行われ、アーケード版は2011年12月2日にアップデート、PS3/Xbox 360版は2011年12月13日、PC版は2012年2月28日に無料アップデートが実施されました。アップデートに伴い、以前のバージョンは利用できなくなりました。

アーケード版『スパIV AE』は、『ストIV』と同様に部品調達難のため、2019年2月28日に修理サポートが終了しました。

ゲーム内容

『スパIV AE』は、家庭用『スパIV』からの単なる移植に留まらず、『ストリートファイターIII』(以下『ストIII』)シリーズのキャラクターであるユンとヤンが追加され、各キャラクターの性能にも調整が加えられました。

さらに、追加キャラクターとして「殺意の波動に目覚めたリュウ」が2011年3月25日に、「狂オシキ鬼」が2011年4月10日から使用可能となり、使用可能キャラクターは総勢39名となりました。これは『ストリートファイターZERO3↑↑』と並ぶシリーズ最多の登場キャラクター数です。

PS3/Xbox 360版『スパIV AE』では、アーケード版同様の新キャラクター4人の追加、ゲームバランスの調整に加え、リプレイチャンネルやエンドレスバトルの追加など、ユーザーからの要望が多かった改良が施されました。Xbox 360版パッケージには、『モンスターハンター フロンティア オンライン』で使用できるプロダクトコードが同梱されました。

PS3/Xbox 360版では、『スパIV』と『スパIV AE』のエディションをオプションで切り替えることができ、通信対戦では通常の『スパIV』との対戦も可能でした。トロフィーは通常の『スパIV』のものに追加される形式でした。

開発の背景

『スパIV』とは異なり、今作はアーケードゲームとしての展開を重視し、日本での人気を基準とした追加キャラクターの選定が行われ、『ストIII』で人気のあったユンとヤンが選ばれました。プロデューサーの小野氏は、『スパIV』のバランスについて、全体的に丸くしすぎてしまい、明確なヒール役がいなくなってしまったことを反省点として挙げ、『スパIV AE』ではあえて凸凹が出るような調整を施したと述べています。

アシスタントプロデューサーの綾野智章氏は、ユンとヤンについて、多くの人に使ってもらうべく、弱くならないように意識していましたが、トッププレイヤーによるやり込みとインターネットを駆使した迅速な攻略によって、急に上位キャラクターに食い込んできたのは予想外だったと語っています。

「Ver.2012」に向けた技術的な研究は「EVO 2011」以前から行われていましたが、具体的な変更点を挙げて調整を始めるのは「EVO 2011」での制作発表よりも後のことでした。「Ver.2012」での調整では、各キャラクターの性能を底上げする方針がとられ、下方修正はテクニックに制約が出てしまうため、極力避けられました。

公式ブログに寄せられた意見をもとに修正が行われたケースもあり、例えば、ハカンの場合、オイルをかぶりながら登場するのに、試合開始後はオイルをかぶっていないという指摘から、「Ver.2012」ではオイルが塗られた状態で試合が始まるように修正されました。

評価

『スパIV』は、GameSpotとIGNにおいて10点満点中8点と高評価を受けました。

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