スーパーナチュラル (アルバム)

サンタナのアルバム『スーパーナチュラル』は、1999年に発表された作品で、彼にとって7年ぶりのスタジオ録音アルバムです。このアルバムは、アリスタ・レコードへの移籍後初のリリースであり、音楽業界に大きな衝撃を与えました。

プロデュースはクライヴ・デイヴィスとカルロス・サンタナが担当し、曲ごとに様々なプロデューサーが参加しています。本作の最大の特徴は、豪華なゲスト陣の参加です。デイヴ・マシューズ、エヴァーラスト、ロブ・トーマス（マッチボックス20）、ローリン・ヒル、シー・ロー、マナ、イーグル・アイ・チェリー、そしてエリック・クラプトンといった、多種多様なジャンルのアーティストが集結しました。

このアルバムからシングルカットされた「スムース」は全米チャート1位を獲得し、アルバム自体も記録的な大ヒットとなりました。その結果、第42回グラミー賞では、最優秀アルバム賞、最優秀ロック・アルバム賞、最優秀レコード賞（スムース）、最優秀楽曲賞（スムース）など、9部門を独占するという快挙を成し遂げました。現在までに全世界で2500万枚を超えるセールスを記録しています。

『スーパーナチュラル』の成功を受け、サンタナはその後も『シャーマン』（2002年）や『オール・ザット・アイ・アム』（2005年）といったアルバムで、同様に様々な世代やジャンルのゲストを起用するスタイルを貫きました。このアプローチは、サンタナの音楽の幅広さと、新たな音楽の可能性を追求する姿勢を示しています。

2000年4月28日には、日本武道館公演でエリック・クラプトンをゲストに迎え、「ザ・コーリング」を演奏するという貴重なライブも行われました。また、野口五郎が「スムース」を「愛がメラメラ -SMOOTH-」というタイトルでカバーしたことも、この曲の日本における人気を物語っています。

アルバムには「ヤレオ」、「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」、「プット・ユア・ライツ・オン」、「アフリカ・バンバ」、「スムース」、「ドゥ・ユー・ライク・ザ・ウェイ」、「マリア・マリア」、「ミグラ」、「コラソン・エスピナード」、「ウィッシング・イット・ワズ」、「エル・ファロル」、「プリマベーラ」、「ザ・コーリング」の13曲に加え、シークレットトラックも収録されています。

演奏メンバーは、カルロス・サンタナ（ギター、コンガ、パーカッション、ボーカル）、チェスター・トンプソン（キーボード）、ラウル・リコウ（コンガ）、カール・ペラッツォ（コンガ、ティンバレス、パーカッション、ボーカル）、トニー・リンゼイ（ボーカル）、ベニー・リートフェルト（ベース）、ロドニー・ホームズ（ドラム）の7人を中心に、多くのゲストプレイヤーが参加しています。

『スーパーナチュラル』は、サンタナの音楽キャリアにおける大きな転換点となり、彼の音楽が新たな聴衆に受け入れられるきっかけとなりました。また、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションを通して、音楽の可能性を広げた作品として、音楽史においても重要な位置を占めています。

グラミー賞受賞歴は以下の通りです。

最優秀アルバム賞
最優秀ロック・アルバム賞
最優秀レコード賞 - スムース
最優秀楽曲賞 - スムース
最優秀ロックパフォーマンス・グループ部門 - プット・ユア・ライツ・オン
最優秀ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス部門 - ザ・コーリング
最優秀ポップ・パフォーマンス（デュオもしくはグループ）部門 - マリア・マリア
最優秀ポップ・コラボレーション（ボーカルあり）部門 - スムース
* 最優秀ポップ・インストゥルメンタル部門 - エル・ファロル

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