スーパーネプチューン

スーパーネプチューン

スーパーネプチューン（Super-Neptune）は、太陽系外惑星の分類の一つで、その質量が海王星よりも大きい天体を指します。一般的に、このタイプの惑星は地球の約5倍から7倍の質量を持つものが多く見られますが、最大では地球の約20倍から80倍程度の質量に達するものも含まれます。この質量範囲を超えると、天体は通常、木星型惑星として分類されます。また、一部の研究では、スーパーネプチューンの中でも特に質量の大きいものを「サブサターン（sub-Saturn）」と呼ぶことがあります。

発見例の希少性

興味深いことに、スーパーネプチューンに分類される惑星の発見例は、他のタイプの系外惑星に比べて比較的少ない傾向にあります。これは、海王星程度の質量から木星程度の質量に至る過程で、ある特定の質量閾値を超えると惑星が急激に成長するメカニズムが存在するためと考えられています。具体的には、原始惑星が地球質量の約20倍程度に達すると、「降着の暴走」と呼ばれる現象が起こるとされています。この閾値を超えた惑星は、その質量に伴って重力が大幅に強化され、周囲の原始惑星系円盤からガスや塵を非常に効率的に取り込むようになります。結果として、惑星は急速に質量を増大させ、木星やそれ以上の質量を持つ巨大ガス惑星へと進化します。このため、海王星と木星の中間的な質量帯に留まる惑星は少なくなるのです。

質量と半径の関係からの知見

惑星の質量と半径の関係に関する理論的なモデル化や、観測された太陽系外惑星のデータ分析は、海王星規模から木星規模への惑星の移行が起こる質量範囲について、新たな視点を提供しています。これらの研究から、太陽系内の惑星の観測に基づいて経験的に定義されてきた質量上限よりも、はるかに高い質量まで海王星のような組成を保ちうる可能性が示唆されています。例えば、2017年にChenとKippingによって発表された研究では、この海王星型から木星型への組成や構造が変化する遷移点の質量が、地球質量の約130倍という高い値である可能性が示されました。この質量-半径関係の研究によって、太陽系最大の惑星の一つである土星も、この新たな定義に基づく遷移点に近い質量を持つ惑星として位置づけられています。

既知の例

これまでに発見されているスーパーネプチューンとされる天体としては、ケプラー101b、HAT-P-11b、K2-33bなどが挙げられます。

関連項目

* スーパーアース

（出典：天文学関連文献、観測データに基づく）

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