スーパーアース

スーパーアースとは

スーパーアース（巨大地球型惑星）とは、太陽系外[[惑星]]の中でも、地球の数倍程度の質量を持つと推定される惑星のことです。これらの惑星は、岩石や金属などの固体成分を主成分としていると考えられています。スーパーアースの質量は、おおむね地球の数倍から10倍程度とされていますが、明確な定義はまだ定まっていません。これは、観測技術の進歩によって、新たなタイプの惑星が次々と発見されているため、定義を固定することが難しい現状があるからです。

発見と特徴

1995年に初めて系外惑星が発見されて以来、当初は木星のような巨大ガス惑星が多く見つかっていました。しかし、観測技術の向上に伴い、土星や海王星クラスの低質量惑星が発見されるようになり、2005年以降には地球の数倍程度の質量を持つスーパーアースも報告されるようになりました。

スーパーアースは、その大きさから内部の高圧による圧縮効果が大きく、マントルがコアの熱を吸い上げる効率が悪いため、コアの対流が活発になりにくいと考えられています。このため、磁場が弱く、プレート運動も起こりにくいと予測されています。これは、惑星の物質循環を妨げ、生命の維持と発展に不可欠な環境形成を困難にする可能性を示唆しています。

スーパーアースの起源については、従来の地球型惑星の形成説だけでなく、ガス惑星が中心星からの放射によって大気を剥ぎ取られたクトニア惑星である可能性も指摘されています。また、赤色矮星の周りで発見される例が多く、今後の観測ターゲットとして注目されています。

オーシャン・プラネットの可能性

惑星の構成物質に氷が多く含まれている場合、中心星に近い位置で海に覆われた「オーシャン・プラネット（海洋惑星）」となる可能性も指摘されています。このような惑星では、地球とは異なる生命形態が存在する可能性も考えられます。

スーパーアースの数

ヨーロッパ南天天文台（ESO）の推計によると、銀河系内には数百億個のスーパーアースが存在すると考えられています。また、地球から30光年以内には約100個のスーパーアースが存在すると推測されており、これらの惑星は、将来の探査対象として非常に魅力的です。

主なスーパーアースの例

以下に、代表的なスーパーアースの例をいくつか挙げます。

グリーゼ876d: 質量の下限値が地球の6倍。赤色矮星の周りを公転。
OGLE-2005-BLG-390Lb: 地球の5倍。重力レンズ観測法で発見。約2天文単位の距離を公転。
グリーゼ581星系: 4個の低質量惑星が存在。そのうち、
グリーゼ581c: 下限値が地球の5倍。かつてハビタブルゾーン内を公転すると考えられた。
グリーゼ581d: 下限値が地球の7倍。ハビタブルゾーンを公転。
グリーゼ581e: 下限値が地球の1.9倍。高温。
MOA-2007-BLG-192Lb: 地球の1.4倍。重力レンズ観測で発見。
CoRoT-7b: 直径が地球の1.7倍、質量は4.9倍。岩石惑星。
ケプラー22b: 太陽と同じG型主系列星系でハビタブルゾーンを公転すると発表された初の惑星。
かに座55番星e: 半径は地球の約2倍、質量は地球の約8倍。

まとめ

スーパーアースは、その多様性と存在の豊富さから、太陽系外[[惑星]]研究において重要な位置を占めています。これらの惑星の解明は、宇宙における生命の存在可能性や、地球外生命探査における大きな進展をもたらすことが期待されます。

関連文献

井田茂『スーパーアース : 地球外生命はいるのか』PHP研究所、2011年

関連項目

太陽系外[[惑星]]
地球型惑星
ホット・ジュピター
赤色矮星

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