スーパーマンパンチ

スーパーマンパンチの概要

スーパーマンパンチは、キックボクシングや総合格闘技に特有なパンチであり、その名はアメリカンコミックのヒーロー『スーパーマン』からインスパイアを受けています。この技術は、スーパーマンが片手を突き出しながら空を飛んでいる姿と、パンチを放つ時の姿勢が似ていることから名付けられました。

このパンチを用いる際、選手はしばしば右構えのオーソドックススタイルで行います。具体的には、右足を上げることで飛び込みながら右フックや右ストレートを打ちます。この際、パンチを当てる瞬間には、右足を振り下げることが一般的です。この足の動きは、蹴りを織り交ぜたフェイントとしても機能します。

しかし、ボクシングでは、スーパーマンパンチが利用されることはあまりありません。特にボクシングの試合では、相手との距離を詰めた場所での攻撃が重視されるため、スーパーマンパンチのような飛び込み攻撃は不向きです。ボクシングにおける近距離のパンチには、『ジョルトブロー』という技があるため、ボクシング界ではこちらが主流となることが多いです。

このスーパーマンパンチは、特異な特徴を持っています。通常のパンチやキックのセオリーとは異なり、テレフォンパンチで打つというスタイルを用いています。ここでは、両足をしっかりと踏ん張る力をパンチに伝えるのではなく、ジャンプの力を利用します。また、パンチとキックを対角線上に放つことも一つの特徴で、たとえば右パンチから左キックへ、またはその逆という形で攻撃します。このように、スーパーマンパンチは奇襲技としての性質を持っていますが、その分動作が大きいためにヒットした際の効果も抜群です。したがって、近年では多くの選手によって頻繁に使用されています。

実際の戦闘においても、このスーパーマンパンチは数々の選手によって試みられています。例えば、アラン・ベルチャーはUFC100で秋山成勲との対戦中にこの技を放ちましたが、距離が遠く反撃には至りませんでした。同様に、ジョゼ・アルドはUFC156においてフランク・エドガーに対してスーパーマンパンチを当てましたが、相手がバックステップで距離を取ったために決定打とはなりませんでした。ただし、UFCのルール上ではこの技自体は合法であり、選手たちにとってのオプションとなっています。

また、UFC130ではトラヴィス・ブラウンがステファン・ストルーフェ相手にスーパーマンパンチを成功させ、KO勝ちを収めました。さらに、Bellator 139では加藤久輝がこの技を駆使して見事にKO勝ちを果たしています。

スーパーマンパンチを得意とする選手には、ジョルジュ・サンピエール、チアゴ・アウベス、廣田瑞人、そしてロマン・レインズなどが挙げられます。これらの選手たちは、この独特な攻撃方法を自身のスタイルに取り入れ、高い成果を上げています。

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