スーパー桃太郎電鉄II

スーパー桃太郎電鉄II：進化した定番ボードゲームの魅力

1991年12月20日、ハドソンよりPCエンジン用ソフトとして発売された『スーパー桃太郎電鉄II』は、桃太郎電鉄シリーズにおける重要な一作です。前作を大きく進化させ、シリーズの定番要素を確立しただけでなく、多様なプラットフォームへの移植や、高い評価を獲得するなど、シリーズ史において大きな足跡を残しました。

前作からの進化と新要素

今作で最も注目すべき点は、シリーズの顔ともいえる「キングボンビー」の登場です。プレイヤーを破産に追い込む貧乏神として、前作を上回る強力な妨害能力でゲームに緊張感を与えました。さらに、ハワイなどの海外への航空路線の追加や、新規駅の追加、路線の大幅変更など、マップも大きく変化しています。

ゲームシステム面でも、目的地までのルート検索を可能にする「いけるかな？」コマンドの追加、物件駅の駅名プレート表示、貧乏神の演出強化など、快適性と視覚的な魅力が向上しました。貧乏神はキングボンビーやミニボンビーに変身するようになり、より戦略的なゲーム展開を促す要素となりました。PCE版では変身したターンから悪行を開始するのに対し、SFC版とGB版では次のターンから悪行を開始するなど、プラットフォームによる違いも存在します。

物件システムにも変更が加えられ、他プレイヤー所有物件の青色表示、購入物件の収益率表示、そして物件の増資システムが導入されました。物件を増資することで価格と収益率を上げることが可能になりましたが、物件を手放すと増資は無効になります。役職も変更可能になり、前作の社長のみだった役職が部長、課長、係長などに細分化され、SFC版ではさらに種類が増加しました。

その他にも、本社・支社のピンチ時のペナルティの変更（物件没収の廃止）、イベントの大幅増加（F-1、地方博物館、選挙など）、BGMの大幅変更、空港マスの追加による空路移動システムの導入など、多岐にわたる改良が加えられています。しかし、すべての物件を購入することはプログラムの制約上不可能なままでした。また、本作では物件名の文字数制限（ひらがな、カタカナ8文字まで、漢字4文字まで）があり、一部の物件名が略称で表記されています。カードの種類も増加し、前作の保険カードが一本化された他、SFC版とGB版ではそれぞれ独自のカードが追加されています。

各プラットフォーム版の違い

『スーパー桃太郎電鉄II』は、PCエンジン版以外にもスーパーファミコン版とゲームボーイ版が発売されました。各プラットフォームによって、いくつかの違いがあります。

PCエンジン版: 5人対戦が可能（SFC版、GB版は最大4人）。キングボンビーの変身ターンからの悪行開始。破産のバラードBGMはサウンドテストで聴取可能。
スーパーファミコン版: 目的地選択パネル画面の導入。役職の種類増加。追加カード。浦島が目的地抽選画面に登場。
* ゲームボーイ版: 通信対戦機能廃止。1台のゲームボーイで交代プレイ。追加カード。

開発秘話

開発者であるさくまあきら氏による『週刊少年ジャンプ』の読者コーナーでのコメントによると、「95年度版」の制作が検討されていたものの、発売には至らなかったようです。「オークション」イベントもシステムの複雑さから没になっています。

評価

PCエンジン版は各ゲーム誌で高い評価を獲得し、PCエンジンソフトの中でも上位にランクインしました。スーパーファミコン版とゲームボーイ版も高い評価を受けていますが、PCエンジン版ほどの高評価ではありませんでした。

まとめ

『スーパー桃太郎電鉄II』は、前作からの改良と新規要素の追加により、シリーズの基礎を築いた重要な作品です。現在でも多くのファンに愛され続けていることからも、その完成度の高さが伺えます。様々なプラットフォームでリリースされ、それぞれのバージョンで異なる魅力を持つ本作は、桃太郎電鉄シリーズの歴史において、欠かすことのできない存在と言えるでしょう。

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