ズィンディ

ズィンディ（Xindi）

ズィンディは、アメリカのSFドラマ『スタートレック:エンタープライズ』に登場する架空の異星人種族です。彼らは母星ズィンダスで進化した知的生命体からなる複数の種族の連合体であり、まさに多様性に富んだ存在です。ズィンディ種族は、獲得した進化の過程で非常に異なる身体的特性を持っていますが、遺伝子の99.5％を共有しているため、基本的な身体構造には共通点があります。特に頬骨の突出は全種族に見られる特徴です。

ズィンディの構成種族

ズィンディは、以下の五つの主な知的種族から構成されています。

1. 水棲型ズィンディ（Xindi-Aquatics）: この種族は地球のクジラに似た特徴を持ち、水中で生活しています。非常に慎重で、決定を下すのに時間をかけます。平和的な性質を持ちながらも、強力な軍隊を保持し、特に巨大な宇宙船を運用しています。

2. 樹上型ズィンディ（Xindi-Arboreals）: 地球のナマケモノに似た外見で、長い毛に覆われています。主に樹上生活をしており、水には苦手意識を持っています。

3. 鳥類型ズィンディ（Xindi-Avians）: この種族はかつて存在したものの、昆虫型や爬虫類型により絶滅しました。彼らは地球の鳥に似た形態を持ち、戦争の中で滅びました。

4. 昆虫型ズィンディ（Xindi-Insectoids）: 鎌切やアリに似た姿を持つこの種族は、好戦的で、67の異なる方言でコミュニケーションを取ります。繁殖は無性でエッグの生成によって行われ、自己防衛のための化学物質を利用します。

5. 霊長類型ズィンディ（Xindi-Primates）: 外見が地球人に似ており、彼らの社会でも特異な役割を果たしています。

6. 爬虫類型ズィンディ（Xindi-Reptilians）: 地球のトカゲに類似したこの種族も好戦的です。彼らは他の種族との対立の主導権を持つことが多いです。

ズィンディ危機

2153年に、ズィンディは地球に対する攻撃を開始しました。これは未来人によって提供された偽情報に基づいており、彼らは人類によって母星が破壊されるという誤った予言を信じることになります。この状況下で、ズィンディ評議会の科学者たちは兵器の開発を急ぎ、最終的には700万人の命を奪う地球攻撃を行いました。

この襲撃の際、エンタープライズのタッカー中佐も妹を失うなど、乗員たちにも大きな影響が及びました。アーチャー船長は、突然の攻撃に反応するため、宇宙艦隊司令部からの緊急帰還命令を受けます。そこから、エンタープライズはズィンディを探し出すための任務へと派遣されます。

この危機は、エンタープライズのクルーが艦隊指令と共に、ズィンディの居場所を探し、様々な試練を乗り越える物語の中心となります。危険な領域「デルフィック領域」での探索と、ズィンディの超兵器解体を目指す彼らの闘いは続き、最終的にはズィンディの連合体における内部の争いにも巻き込まれていきます。

ズィンディの運命

ズィンディ危機以降、彼らに関する情報は『スタートレック:ローワーデッキ』や『スタートレック:ディスカバリー』で言及されることはありますが、彼らがその後どのような運命を辿ったのかは不明なままです。未来人に騙され、地球を敵に回し、内乱を起こした彼らの存続は謎に包まれています。

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