ズデネク・シュティバル

ズデネク・シュティバル：シクロクロスとロードを制するチェコの英雄

ズデネク・シュティバル（Zdeněk Štybar、1985年12月11日 - ）は、チェコ共和国のプラナー出身の自転車競技選手。シクロクロスとロードレースの両方で目覚ましい実績を上げている。

シクロクロスでの輝かしいキャリア

シュティバルは、シクロクロス選手として早くから才能を発揮。2005年と2006年には、U23シクロクロス世界選手権で2連覇を達成。2007年にエリートカテゴリーに昇格すると、チェコ国内選手権で2007年から2011年まで5連覇を達成する圧倒的な強さを見せた。2009-2010年シーズンには、UCIシクロクロスワールドカップで総合優勝を果たし、世界トップクラスの選手としての地位を確立。世界選手権では、2008年と2009年に2位となるが、2010年にはついに悲願の世界チャンピオンに輝き、2011年、2014年にも優勝を果たし、通算3度の世界タイトルを獲得している。

ロードレースへの挑戦と成功

2011年3月、シュティバルはクイックステップ（現スーダル・クイックステップ）に移籍し、ロードレースにも本格的に参戦。当初はシクロクロスとの両立を図っていたが、徐々にロードレースに軸足を移していく。2013年には、エネコ・ツアーで総合優勝を果たし、キャリア最高の勝利を飾る。同年、ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージでは、僅差で逃げ切り、グランツール初勝利を達成。2015年には、ツール・ド・フランス第6ステージで、ゴール前のアタックを成功させ、区間優勝。残すグランツールでの勝利はジロ・デ・イタリアのみとなった。

ワンデーレースでの強さ

シュティバルは、ロードレースでは特にワンデーレースに強く、2015年にはストラーデ・ビアンケを制覇。石畳のクラシックレースであるパリ〜ルーベでは、2013年から3年連続で一桁順位でフィニッシュしている。勝利こそないものの、2015年にはゴールスプリントでヨーン・デーゲンコルプに僅差で敗れて2位、2017年もフレフ・ファン・アヴェルマートとのスプリント勝負で2着に終わるなど、常に優勝争いに絡む実力を見せている。

主な戦績

2008年：世界選手権 2位（シクロクロス）
2009年：世界選手権 2位（シクロクロス）
2010年：世界選手権 優勝（シクロクロス）
2011年：世界選手権 優勝（シクロクロス）
2013年：エネコ・ツアー 総合優勝
2013年：ブエルタ・ア・エスパーニャ 区間優勝（第7ステージ）
2014年：世界選手権 優勝（シクロクロス）
2015年：ストラーデ・ビアンケ 優勝
2015年：ツール・ド・フランス 区間優勝（第6ステージ）
2019年：オムロープ・ヘット・ニウスブラット 優勝
* 2019年：E3ビンクバンク・クラシック 優勝

シクロクロスとロードレースの両方で世界トップレベルの実力を持ち、数々の勝利を飾ってきたズデネク・シュティバル。その類まれな才能と努力は、多くのファンを魅了し続けている。

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