フレフ・ファン・アヴェルマート

フレフ・ファン・アヴェルマート：ベルギーが生んだロードレース界の英雄

フレフ・ファン・アヴェルマート（Greg Van Avermaet）は、1985年5月17日生まれ、ベルギー・ロケレン出身の自転車競技選手です。2021年からはAG2R・ラ・モンディアルに所属し、ロードレース界で活躍を続けています。

自転車競技一家のサラブレッド

ファン・アヴェルマートは、まさに自転車競技一家に生まれ育ちました。父方の祖父エメ、父ロナルトに加え、母方の祖父カミエル・ビュイス、その娘で母方の伯母にあたるアンヤ・ビュイスもプロのロードレース選手でした。さらに義兄のグレン・ドランダーとも、サイレンス・ロット時代に同僚として走っています。グレンの父ルカもプロロード選手であり、はとこの内2人が元プロロード選手という、まさに自転車競技のDNAを受け継いだサラブレッドと言えるでしょう。しかし、意外なことに、グレッグ自身は17歳までサッカーのゴールキーパーとしてプロを目指していました。

プロとしての躍進

2006年、U23国内選手権・個人ロードレースで優勝。翌2007年にプレディトール・ロット（現 サイレンス・ロット）と契約し、プロとしてのキャリアをスタートさせます。

2008年にはブエルタ・ア・エスパーニャに初出場し、ポイント賞を獲得。第9ステージではダヴィデ・レベッリンやフアン・アントニオ・フレチャといった強豪を破って勝利を飾りました。2011年にはBMC・レーシングに移籍しています。

リオ五輪金メダルとUCIワールドツアー年間王者

ファン・アヴェルマートのキャリアにおけるハイライトの一つは、2016年のリオデジャネイロオリンピックです。最終周回の下りで先行するラファウ・マイカをヤコブ・フグルサングと共に猛追し、残り1.5kmで追いつき、スプリント勝負を制して金メダルを獲得しました。この勝利は、彼の名声を世界に知らしめることとなりました。オリンピック後のレースでは、チームジャージに金メダリストを表す金色のパイピングが施されたものを着用しています。

2017年には、フランドル・クラシックのビッグレース、ロンド・ファン・フラーンデレンで2位に終わるも、パリ〜ルーベでは5名のスプリント勝負を制し、念願のモニュメント優勝を飾りました。ツール・ド・フランスでは区間優勝こそ逃しましたが、UCIワールドツアー2017でクリス・フルームを抑え、初の年間王者に輝きました。

近年の活躍と今後

近年は所属チームの変更や調子の波もありましたが、2023年にはブークル・ド・ロルヌで優勝するなど、その実力は健在です。今後の活躍にも期待がかかります。

主な戦績

2006年：ベルギーナショナル選手権 U23ロードレース 優勝
2007年：ツアー・オブ・カタール 区間優勝（第5ステージ）、メモリアル＝リック・ファンステーンベルヘン 優勝
2008年：ブエルタ・ア・エスパーニャ ポイント賞、区間優勝（第9ステージ）
2011年：パリ〜ツール 優勝、ツール・ド・ワロニー 総合優勝
2015年：ツール・ド・ベルギー 総合優勝、ツール・ド・フランス 区間優勝（第13ステージ）、チームタイムトライアル優勝
2016年：オムロープ・ヘット・ニウスブラット 優勝、ティレーノ〜アドリアティコ 総合優勝、リオデジャネイロオリンピック 個人ロードレース 金メダル
2017年：オムロープ・ヘット・ニウスブラット 優勝、E3・ハレルベーク 優勝、ヘント〜ウェヴェルヘム 優勝、パリ〜ルーベ 優勝、ツール・ド・ルクセンブルク 総合優勝
2018年：ツール・ド・ヨークシャー 総合優勝
2019年：グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル 優勝
2023年: ブークル・ド・ロルヌ 優勝

フレフ・ファン・アヴェルマートは、その才能と努力で数々の勝利を掴み、ロードレース界に名を刻みました。これからも、彼の活躍から目が離せません。

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