ズールー戦争

ズールー戦争 (1879年)

ズールー戦争、またの名を英・ズールー戦争は、1879年にイギリス帝国とズールー王国との間で勃発した戦争です。この戦争は、根拠のない戦闘とともに南アフリカにおける植民地支配の重要な転機となることから、多くの人々の記憶に残っています。イギリス軍は開戦初期において、大規模な敗北を喫しましたが、その後の増援を受けて状況を逆転させました。最終的には、戦争の結果としてズールー王国は独立を失うことになりました。

ズールー王国についての背景

ズールー王国自体は、南アフリカ共和国のクワズール・ナタール州に広がるバントゥー語系民族の国家です。19世紀初頭、シャカ王によって創設されたこの国は、独自の軍事システムを設計し、周辺部族を次々と征服しました。特に、1817年から1819年にかけてのズールー内戦では、Ndwandwe王国との激闘を経て、強大な国力を築きました。しかし、1828年にシャカが暗殺され、以降は彼の弟ディンガネが王位を継承しました。

その後、英領ケープ植民地に住むボーア人たちが独立を求めて北上する「グレート・トレック」が発生し、ズールー王国もその影響を受けました。1845年、英国はナタール共和国を併合、ボーア人たちは新たな国を求めて南アフリカ各地に移動したため、緊張が高まります。

開戦の理由と経過

時は流れ、ズールー王国のセテワヨ王が即位した1872年頃、彼は帝国の王族が復権しようとする動きに対抗しつつ、イギリスとの友好関係を維持していましたが、外からの圧力は高まっていました。1877年、ボーア人に対する英国の統治が進む中、ズールー王国とボーア人との間で国境問題が発生し、英国の圧力が強まります。特に、イギリスの高等弁務官フレアはズールーとの戦争を画策し、最終通告を行います。

この最後通告は、ズールーに対して多くの要求を行い、これに抵抗したセテワヨは挑戦を続けました。その結果、1879年1月11日、イギリス軍はズールー王国に侵攻し、戦争が始まります。初期の戦闘では、ズールー軍がイサンドルワナの戦いでイギリス軍を大敗させ、一時的に戦局を有利に進めました。

戦闘の推移と終結

イサンドルワナの戦いでの勝利にも関わらず、ズールー軍はその後、補給不足と指揮体制の問題に直面しました。英軍も新たに増援を受け、ウルンディの戦いに投入された結果、最終的には英軍が勝利を収めます。この敗北により、ズールー軍は壊滅し、セテワヨは逃亡、最終的にズールー王国は分割され、イギリスの直接統治下に置かれました。

戦後、セテワヨは一度復位を果たしますが、内戦が勃発し、最終的には再びイギリスの支配下に戻ることになります。また、ズールー戦争を通して、イギリスはその植民地政策を強化する契機を得たと言えるでしょう。最終的に南アフリカは1910年に統一され、新たな自治領が成立します。

結論

ズールー戦争は、スピリットの高いズールー軍の抵抗と、帝国主義の厳格な圧力が交錯した歴史的な出来事であり、今日に至るまで南アフリカの歴史に多大な影響を及ぼしました。その背景には、民族の衝突、人々の涙、そして力の無常さがあったのです。

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