セアオマイコドリ

学名 Chiroxiphia pareola は、スズメ目マイコドリ科に分類される小型の鳥類です。その名前が示すように、雄の鮮やかな青い背中が最大の特徴となっています。

この鳥は南米大陸の広範囲にわたって分布しており、具体的にはコロンビア南部、ベネズエラ東部、ガイアナ、ブラジル北東部で見られます。さらに、広大なアマゾン盆地全域に加え、カリブ海のトバゴ島にも生息しています。しかし、興味深い分布の偏りがあり、ベネズエラ中央部からコロンビア南部の国境にかけてのアマゾン盆地北西部には生息していないことが知られています。このような特定の地域への限定的な生息パターンは、地理的な要因や過去の環境変動など、様々な要素に影響されていると考えられます。

セアオマイコドリは非常に小さな鳥で、成鳥の体長はおよそ13センチメートル、体重は平均して19グラム程度です。他のマイコドリ科の仲間と同様、雄と雌で外見が大きく異なる性的二型が顕著です。

雄の成鳥は、その名前の由来となった背中の鮮やかな青色が目を引きます。この青色以外の体は艶のある黒色をしており、脚は淡いオレンジ色です。この鮮やかな色彩のコントラストが、雄のセアオマイコドリを非常に特徴的な姿にしています。さらに、頭頂部は通常、鮮やかな赤色をしていますが、アマゾン盆地の南西部に生息する亜種 C. p. regina では、この頭頂部の色が黄色になるという地域的な変異が存在します。

若い雄は、成鳥の雄のような派手な色合いではなく、雌に似た地味なオリーブ色をしています。しかし、成長するにつれて、徐々に成鳥特有の青、黒、そして赤（または黄色）といった鮮やかな羽色へと変化していきます。

一方、雌は全身が比較的落ち着いた色彩で、背中側はオリーブグリーン、腹側はやや青みがかったオリーブ色をしています。この地味な色合いは、子育て中の外敵からの保護色としての役割も果たしていると考えられます。

セアオマイコドリの食性は、主に果物と昆虫です。森林の中で、これらの餌を活発に探し回って採食します。繁殖期には、特に果実が重要なエネルギー源となります。

繁殖行動においては、雌が単独で巣作りと抱卵を行います。雌は樹上の比較的安全な場所に、小枝などを器用に組み合わせてお椀型の巣を作り上げます。一度に産む卵は通常2個で、卵の殻は茶色地に distinctive なまだら模様が入っています。卵は雌のみによって抱卵され、その期間は約20日間です。この抱卵期間を経て、雛が孵化します。孵化した雛は、親鳥（主に雌）によって餌を与えられ、成長していきます。このような繁殖戦略は、多くのスズメ目鳥類に共通して見られるものです。

セアオマイコドリは、その美しい羽色と独特の求愛行動（マイコドリ科に特徴的ですが、本入力には詳細がないため一般的な言及に留めます）から、野鳥観察者にとって魅力的な存在です。生息地の森林環境の保全が、この貴重な鳥種の存続にとって極めて重要となります。

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