セイル (漫画)

セイル (SEiRU)

『セイル』は、有里紅良が原作、夢来鳥ねむが漫画を担当する日本の漫画作品です。講談社の『月刊マガジンZ』とYahoo! JAPANのコンテンツであるYahoo!コミックが共同で行ったクロスオーバー作品企画『ヒーロークロスライン』（HXL）の作品として制作されました。ウェブコミック誌『ヒーロークロスライン』で連載され、単行本は全2巻が発売されています。また、作品に登場するヒーローの名前でもあります。

本記事では、外伝小説である『エッジワースの木馬』についても解説します。

概要

『ヒーロークロスライン』にて2008年6月11日から連載が開始され、2009年3月25日まで月1回のペースで連載されました。2008年11月20日からは、連載されたものをまとめた有料電子書籍が配信され、翌21日には単行本が発売されました。有料電子書籍および単行本の発売後、第1話は期間を設けずに、単行本に収録されていない話数はYahoo!コミックで無料で読むことができましたが、現在では配信サイトへのリンクが切れており、無料で読むことはできません。

アンドロイドの少年、上岡聖流（かみおか セイル）と自立型ブースターのアニマロイド、キディが、ノッカーズ組織『ペンドラゴン』との戦いを繰り広げるバトルアクション漫画です。最大の特徴は、『ヒーロークロスライン』の代名詞でもあるクロスオーバーであり、ほぼ1話につき1作品という非常に多くの作品とのクロスが展開された点です。また、ロボット三原則をストーリーに組み込むなど、本格的なSF漫画としての側面も持っています。コンセプトデザインは結城信輝が担当し、聖流のバトルコスチュームや怪人などのデザインを手がけました。

HXL作品の中では『VOID』、『ALCBANE』と関連が深く、その他に『ウサ探』、『MEAN 遥かなる歌』、『ギャラクティックマンション』、『童子装甲BEE』、『ジエンド』、『火星のココロ』、『クランド』、『青の橘花』とのクロスオーバーも行われ、そのほとんどが『セイル』のストーリーに深く関わっています。

有里・夢来鳥のコンビによる作品（通称「ら・むうん作品」）は、常に共通の世界観のもとで制作されており、本作以前の両名による各作品には、作者の他作品へのハイパーリンクが必ずと言っていいほど設けられていました。しかし、『セイル』においては『ヒーロークロスライン』という企画上の特異性から、『HAUNTEDじゃんくしょん』などに代表される従来の「ら・むうん作品」とは異なる世界観となっています。そのため、『セイル』以前に発表されたら・むうん作品とは世界観上の関連性は基本的に否定されています（ただし、従来のら・むうん作品に出てきてもおかしくはない用語や概念は使用されています）。

あらすじ

2009年12月24日、アンドロイドの少年、上岡聖流は母親の上岡流梨子とアニマロイドのキディと共に幸せなクリスマスを過ごしていました。しかし、そこへ突然、霧島猛流が率いるノッカーズ集団『ペンドラゴン』が現れ、幸せなひとときを奪い去ります。流梨子は猛流のノッカーズ能力によってバラバラにされ誘拐されてしまい、流梨子を取り返そうとする聖流にも危機が訪れます。しかし、キディは聖流とブーストすることで聖流を戦闘モードへと変身させ、後始末を命じられたノッカーズたちを撃退します。

聖流とキディは母親を取り戻すため、様々なキャラクターとの出会いと別れを繰り返しながら苦難の旅を続けることになります。

エッジワースの木馬

『エッジワースの木馬』は、2009年8月14日から16日にかけて開催されたコミックマーケット76にて、有里紅良と夢来鳥ねむの同人サークル『ら・むうん』から発行された同人誌『SEIRU Perfect Record』に掲載された小説作品です。有里が文章を、中嶋敦子が挿絵を担当しました。

HXL公式という宣言はされていませんが、2010年5月21日に行われたHXLのトークイベント『ヒーロークロス・トーク』でのチャリティオークションに中嶋が描いたセイルとショウルのカラー色紙が出品されるなど、HXL公式に近い作品です。

概要（エッジワースの木馬）

挿絵のみのページを含め、全10ページにわたる短編小説です。『セイル』本編より約100年後を舞台としており、外伝小説としての側面が非常に強いですが、『VOID』第2部で登場予定のヴォイダブルゾーンを絡ませたり、『火星のココロ』より半世紀以上先の年代を描写するなど、HXLの世界観をさらに広げる作品となっています。

『セイル』本編にはなかった恋愛要素を中心に据えた作品でもあります。

あらすじ（エッジワースの木馬）

時は21xx年、ノッカーズ能力者の存在によって宇宙開拓のスピードは飛躍的に向上していました。ノーマル以上の能力を持つアンドロイドであるセカンド・セイルも相棒のキディや複数のノッカーズと共に太陽系外への人類進出の第一歩となるため、太陽系外縁天体のエリスに赴任していました。

そんなある日、セカンド・セイルは不思議な夢を見ます。

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