セカンドキャリア

セカンドキャリアとは

セカンドキャリアは、退職後の新たな職業を指す言葉です。英語の「second（第二の）」と「career（経歴）」を組み合わせた和製英語で、人事労務の分野でも広く使われています。かつてはプロスポーツ選手が現役を引退した後のキャリアチェンジに関連して使用されていましたが、近年では一般の会社員や公務員、女性の育児や出産に伴うキャリアの中断にも適用されるようになりました。

プロスポーツ選手のセカンドキャリア

特にプロスポーツ選手の場合、セカンドキャリア支援が重要なテーマとなっています。2002年にJリーグは、選手が円滑に新たな職業へ移行できるよう、キャリアサポートセンターを設置しました。この組織は、引退後の選手に対し、企業とのマッチングや就職活動の支援を行っています。また、日本ボクシングコミッションも元プロボクサーを警察官として採用する取り組みを進めています。これらは、現役を退いた選手たちが新しい道を見つけるための重要なサポートとなっています。

ただし、こうした支援が存在する一方で、適切な職業選択を行えずに苦しむ元選手も少なくありません。元プロ野球選手に関しては、伝統的に野球解説者やコーチといった道がありましたが、最近では減少傾向にあります。これは、地上波でのプロ野球中継が少なくなっているためで、選手たちは新たな職業を見つけるのに苦労しています。

一流選手の苦悩

特に、かつて一流だった選手たちはセカンドキャリアでの苦労が顕著です。成功を収めた元選手ほど、プライドが邪魔をし、一からの出発を躊躇することがあります。これにより、周囲の人々もどのように接すればよいのか迷うことが多く、元選手が自らの状況を打破できないことに繋がります。

また、元選手に近づいてくる者も多く、詐欺に遭ってしまうケースもあります。高額な報酬を得ていた選手が現役を引退すると、収入が途絶え、一般的な給与水準で地道に働かなければならなくなるため、生活レベルを見直さなくてはなりません。しかし、これができず、さらにお金を求めるあまり犯罪に手を染めてしまうこともあります。実際、2004年には元プロ野球選手の小川博が強盗殺人事件を犯し、社会に大きな衝撃を与えました。

このように、元スポーツ選手の犯罪事件は、個人の問題に留まらず、当該スポーツのブランドイメージにも悪影響を及ぼしかねません。そのため、スポーツ界においても、引退選手のセカンドキャリアについて共通の理解を持つことが必要とされています。

セカンドキャリアの展望

日本プロ野球（NPB）の世界では、「8割のプロ野球選手が引退後に自己破産する」という噂が広がっています。事実、引退後に現役復帰を試みる選手もおり、その中には「復帰してからがセカンドキャリア」と語る選手もいます。

このように、セカンドキャリアは単なる職業選択の問題ではなく、選手自身のアイデンティティやスポーツの未来にも影響を与える重要なテーマとなっています。したがって、これを解決するための取り組みが、より一層根付く必要があるでしょう。

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