セクシー・コーラ

セクシー・コーラ（Sexy Cora）

ドイツ出身のアダルトモデル、ポルノ女優として知られるセクシー・コーラは、本名をCarolin Wosnitzaといい、1987年5月2日に生を受け、2011年1月20日に夭折しました。そのわずか23年の生涯は、波乱に富み、短くも強い印象を残しています。

幼少期からキャリア初期

東ベルリンでCarolin Ebertとして誕生した彼女は、両親の離別を経て、2歳の頃に母親と共にシュヴェリーン近郊に移り住み、祖母のもとで育ちました。その後、継父と二人の腹違いの兄弟と暮らす時期もありましたが、15歳で再び祖父母の元に戻っています。この頃には、すでにタトゥーを入れていたと推測されており、15歳時に参加したディスコイベントで「Miss Arschgeweih」に選ばれたことが報じられています。

2003年、16歳で実科学校を卒業した後、看護師になるための職業訓練をグレーヴェスミューレンで受けましたが、股関節の健康問題を抱えていたため、その道を断念せざるを得ませんでした。18歳となった2005年には、後にマネージャーそして夫となるTim Wosnitzaと共にハンブルクへと生活の拠点を移します。ハンブルクでは、最初の数週間、ヘルベルト通りで売春に従事していたことが知られています。この時期に、最初の豊胸手術を受け、バストサイズが70Bから70Dへと変化しました。そして2006年、19歳でティムと結婚し、本名がCarolin Wosnitzaとなりました。

アダルト業界での活動とメディア露出

売春婦として働く中で、自身の性的活動を動画に収めてインターネットで公開するという着想を得た彼女は、夫ティムの協力のもと、様々なエロティックポータルサイトへ動画を投稿するようになります。同時に、カムガールとしての活動を開始し、「Sexy Cora」という芸名を使い始めました。

2007年には自身のレーベル「SEXY CORA」を立ち上げ、死後もこのレーベルはDVD制作などを続けています。同年、ドイツのマニア向け雑誌『タトゥー・エロティカ』に掲載され、2009年にはドイツの男性誌『クーペ』にも登場。また、ドイツのラッパーD-Boのミュージックビデオにも出演するなど、活動の幅を広げました。2009年6月にはドレスデンで開催された自動車イベント「XS Car Night 2009」に特別ゲストとして招かれ、ピンクのランボルギーニと共に写真に収まっています。同年11月には、スイスの雑誌『Kontakt-Magazin cherry』の表紙を飾りました。

2010年には、「2010年セクシー・サッカーカップ」という、ポルノ女優たちがボディーペイントユニフォーム姿でサッカーを行うというドイツ代表激励イベントに参加。同年10月には、ベルリンで開催されたセックス産業の見本市「Venus 2010」に参加し、サイン会を行いました。

音楽・テレビ・映画分野での活動

セクシー・コーラはアダルト業界に留まらず、音楽活動も行いました。2010年5月14日にマキシシングル「My Love (La La La)」をリリース。同年7月16日にはアルバム「Mallorca Party Summer」を発表し、9月10日にはシングル「Lass Uns Kicken」をリリースしています。

テレビ番組への出演もあり、2010年1月から3月にかけて、RTL2のリアリティショー「ビッグ・ブラザー第10シーズン」に出演し、注目を集めました。彼女の死後も、関連する番組が放送されており、2011年8月27日にはZDFの犯罪シリーズ「Krimi-Reihe Einsatz in Hamburg」に、また同年4月11日にはRTL2で彼女の生涯を追ったルポルタージュ「Ein viel zu kurzes Leben –Der Fall Sexy Cora」が放送されています。

映画にも出演しており、主な出演作として2009年の『Versaute Freizeit』、2010年の『Be Famous』、2011年の『Gegengerade』などがあります。

受賞歴と私生活

2010年10月24日、ベルリンで開催されたVenus 2010の見本市で行われた表彰式で、セクシー・コーラは複数の賞を獲得しました。ヴィーナス賞では「Best Amateur Actress (Germany)」と「Best Toy Series (International)」の二部門を、Erotixxx Awardでは「Best Amateur Actress」部門を受賞しています。

私生活では、2009年5月に一日に口腔性交を行った男性人数の世界記録に挑戦するも、75人目で中断し病院へ搬送されるという出来事がありました。

悲劇的な死

2011年1月11日、セクシー・コーラは自身にとって6度目となる豊胸手術（バストサイズを34Fから34Gへ変更する手術）を受けるため、ハンブルク市内の美容外科クリニックを訪れました。しかし、手術中に心停止に見舞われ、別の病院へ緊急搬送されましたが、意識が戻ることなく、2011年1月20日に手術の合併症が原因で帰らぬ人となりました。23歳という若さでの突然の訃報は、多くの人々に衝撃を与えました。検察の発表によれば、彼女の死因としてアナボリックステロイドの使用を疑う声もありましたが、それは根拠のない噂であると否定されています。

葬儀とその後

2011年2月2日、セクシー・コーラはハンブルクのオールスドルフ墓地に、ピンク色の棺に納められて埋葬されました。彼女の墓は18,000ユーロもの費用をかけて建てられ、罪のリンゴを持つ高さ4フィートの天使像が特徴的です。生前の写真が刻まれた石板も設置されていましたが、墓地の管理責任者によって撤去されました。その理由として「セクシーすぎる」「ガイドラインに反する」と判断されたためです。

彼女の死を巡っては、法的な動きもありました。1月21日には、手術を担当した二人の医師が過失致死の疑いで起訴され、2013年2月5日にはうち一人の医師に保護観察14か月の判決が下されています。また、夫であったティムは美容外科クリニックに対して損害賠償を求める訴えを提起しました。2016年6月24日、ハンブルク地方裁判所はクリニック側に対し、14万ユーロから82万4000ユーロの間で損害賠償金を支払うよう命じています。

その他の出来事として、2010年の4度目の豊胸手術後に、彼女自身の胸部を石膏で型取りした像が作られています。彼女の死後、この石膏像は夫ティムによってインターネットオークションに出品されましたが、これに対しては、亡くなった妻から最後まで利益を得ようとする行為ではないかという否定的な意見もインターネット上で見られました。

短い生涯ながらも、多方面で活動し、その死によっても大きな波紋を広げたセクシー・コーラは、ドイツのアダルト業界における一つの時代を象徴する存在と言えるでしょう。

（本記事は公開情報を基に作成されています。文中の日付や金額等は情報源に基づきます。）

もう一度検索