セグウェイ

セグウェイ（Segway）

セグウェイとは、立って乗る電動二輪車で、体重の移動によって操縦する特異な乗り物です。この乗り物は、アメリカの発明家であるディーン・ケーメンによって開発され、Segway Inc.が販売しています。名前の由来は音楽用語の「Segue」から来ており、滑らかな移行を象徴しています。特に、セグウェイはバッテリーを内蔵し、アクセルやブレーキの操作を必要とせず、直感的に走行が可能なのが特徴です。セグウェイのロゴデザインは、風を切って走る人を象徴しており、製品のコンセプトを強調しています。

歴史と開発の背景

セグウェイの技術は、ケーメンが開発していた高機能車椅子「iBOT」から発展したものです。iBOTの承認が遅かったため、先にセグウェイが市場に出ることとなりました。初期モデルは「ジンジャー」というコードネームで呼ばれ、2001年12月にその存在が発表される前、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズなどの著名人から絶賛されたこともあり、世間の期待が高まりました。

一方で、当初の希望的観測とは裏腹に、セグウェイの市場では苦戦を強いられます。2002年に発売された際の価格は約60万円であり、手頃な価格ではなく、ターゲットと考えられていた層を捉えることができませんでした。この結果、販売数は低迷し、3年間で約6000台しか売れませんでした。特に、環境に優しい移動手段としての宣伝も空回りし、ユーザーからの支持を得られない背景には、速度やニーズの不一致が指摘されました。

購入者及び市場での評価

セグウェイの主なユーザーは当初の消費者層ではなく、特にアメリカの警察や民間のセキュリティー会社等でした。彼らにとっては、運営上の利便性や俊敏性が重視され、正式に導入されるケースが増えました。ただし、全ての地域でセグウェイが自由に使われたわけではなく、特に歩道利用を禁じている自治体も存在しました。2004年には、NASAがセグウェイを宇宙用ロボットの移動手段として使用する研究も行っていました。

問題と転倒のリスク

セグウェイの普及の妨げには、転倒事故があるとされています。特に、ユーザーが体重移動により操縦するため、ふとした拍子にバランスを崩すことが多発しました。大統領による転倒事故は、そのイメージを悪化させ、結果として販売に影響を及ぼしました。2006年にはソフトウェアの不具合も見つかり、大規模なリコールが実施されました。

企業の買収と生産終了

その後、セグウェイ社はイギリスの資産家ジミ・ヘゼルデンに買収され、さらに2015年には中国のNinebot社に譲渡されます。しかし、2020年には生産の終了が発表され、以来、セグウェイは観光業や特殊な業務用途に限られた存在になりました。セグウェイの生産が終了することにより、その20年の歴史の中でも、日常的な近距離移動手段としては十分な普及を達成できなかったことが示されています。

使用と将来性

日本においては、セグウェイは一般の公道での走行が認められておらず、主に私有地での使用に限られています。このため、観光ツアーや特定の施設での利用が中心となっています。とはいえ、時代に合わせた新たな移動手段の登場や、環境意識の高まりにより、電動スクーターといったより手軽な選択肢が注目を集めています。今後、セグウェイの技術が他の移動手段とどのように融合し、新たな展開が期待されるのかが注目されるポイントと言えるでしょう。

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