期待

期待（きたい、英: Expectation）

期待とは、何らかの事柄が実現することを望みつつ、それが起こるのを待つ心理状態を指します。また、当てにして待つという意味合いも持ちます。期待する気持ちは「期待感」と呼ばれ、期待通りにならない場合は「期待外れ」と表現されます。

期待の定義

ブリタニカ国際百科事典では、期待は過去の経験や現在の状況に基づき、ある現象や事件が発生することを待ち続ける状態であり、行動の準備状態の一種で、しばしば情緒的な緊張を伴うと説明されています。

法律、法学における期待

期待可能性

刑法学においては、犯罪行為があった当時、行為者が適法な行為を選択できたはずだと期待できることを「期待可能性」と言います。期待可能性がない場合、刑事責任を問うことはできないという学説の根拠となる概念です。

期待権

一定の事実があれば何らかの法的な利益を期待すること、特に権利として認められ法的に保護されているものを「期待権」と呼びます。

性格・人格形成と親や大人からの期待

出生順位と期待

依田明は、出生順位によって性格に差が生じる原因について、「親の長子に対する期待と次子に対する期待が異なるため」と分析しています。親は長子らしい行動と次子らしい行動を区別し、男らしさ・女らしさといった性格が性別への期待によって形成されるのと同様に、長子的性格・次子的性格も形成されると述べています。

社会的期待と成長

新堀通也によれば、子供は社会からの期待の中で生きがいを見出し、その期待に応えることを学ぶことで社会的に成長します。子供が成人し社会の正規の成員となるためには、社会が成人に対して要求し容認することを理解・受容する過程が必要です。成人からの期待と子供の役割取得の間には相互作用があり、対立や葛藤、抑圧を伴うこともあります。その結果、青少年が欲求不満に陥ったり、成人への反抗を引き起こす可能性もあります。

教育における期待

学習過程の説明において、学習の成立を、何らかのサインが存在するときに、ある行動ルートを選べば目標に達するという期待を持つこととする「期待説」を唱える研究者もいます。

関連項目

ピグマリオン効果
期待理論
* 不安（期待と対比される概念）

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