セゲド/ホードメゼーヴァーシャールヘイ・トラムトレイン

ハンガリー初のトラムトレイン：セゲドとホードメゼーヴァーシャールヘイの結びつき

ハンガリーの南部に位置するセゲドとホードメゼーヴァーシャールヘイを結ぶ新しい交通手段として、トラムトレインが2021年11月29日に営業を開始しました。これはハンガリーで初めて導入されたトラムトレインであり、両地域の公共交通の利便性を大幅に向上させることを目的としています。

公共交通の必要性と背景

セゲドとホードメゼーヴァーシャールヘイの間は、長らく公共交通機関の不足が課題でした。2018年の時点で、都市間バスは1日160本運行されていましたが、渋滞や道路工事によりダイヤが乱れることが多く、住民の移動は困難でした。加えて、ハンガリー国鉄の135号線（セゲド - ベーケーシュチャバ線）は存在するものの、各都市の駅が中心部から遠く、その利用は低迷していました。

この状況を突破するための一つの解決策として、トラムトレインの導入が検討され始めました。2007年から始まったこのプロジェクトは、2012年には実現可能性調査を終え、2018年から実際の建設が進められました。

トラムトレインの仕組みと路線

トラムトレインは、セゲド市内の既存のセゲド市電1号線に直通するよう設計されており、ホードメゼーヴァーシャールヘイ市内には新たに建設された路面電車路線があります。6つの停留所を持つこの路線は、市内を通過しながら両都市を結びます。

さらに、ハンガリー国鉄の135号線には最高速度100km/hでの走行が可能なように、線路の整備が行われました。運行の所要時間は約37分、ラッシュ時には最短15分間隔での運行が計画されています。

運行開始と現在の状況

2021年5月には試運転が開始され、11月末から正式な営業運転がスタートしました。運賃は同年から2022年4月15日までの間は無料で提供され、その後の運賃徴収が始まりました。2021年内は1時間に1本の頻度で運行されていましたが、2022年4月からは20から30分間隔での運行に切り替えられました。その後、2023年2月のダイヤ改正において、平日の午後においては毎時3本に増発されました。

車両と技術

トラムトレインに使用される車両は、スイスのシュタッドラー・レールと共同で開発されたシティリンクです。これらの車両は、セゲドやホードメゼーヴァーシャールヘイの市内を走る際には直流600Vの架線から電力を供給され、都市間の移動ではディーゼルエンジンで駆動します。これにより、効率的な運行が実現される予定です。合計12両の車両が投入され、406形という形式名が付けられています。

将来的な展望

セゲドから他の地域に至るまでのトラムトレインのネットワーク拡張計画も進行中です。特に、セゲドとマコーを結ぶ路線構想があり、2019年時点では検討が進められています。公共交通の便益を更に広げ、地域間の連携を強化するための取り組みが期待されています。

新たなトラムトレインシステムは、ハンガリーにおける公共交通の未来を切り開く重要な一歩となっており、多くの地域住民にとっての移動手段を革新するでしょう。

もう一度検索