セタ・タマニバル

セタ・タマニバル

セタ・タマニバル（Seta Tamanivalu）は、1992年7月23日にフィジー共和国のラウトアで生まれたプロラグビー選手である。現在は、日本のラグビー最高峰リーグであるジャパンラグビーリーグワンの東芝ブレイブルーパス東京に所属している。

ポジションは主にウィング（WTB）やセンター（CTB）を務め、その強靭なフィジカルと突破力でチームに貢献している。身長は189cm、体重は104kgと、現代ラグビーのバックス選手として理想的な体格を持つ。

経歴

タマニバル選手のキャリアは多岐にわたる。ニュージーランド国内の州代表選手権であるマイター10カップ（現ニュージーランド州代表選手権）のタラナキで頭角を現した後、スーパーラグビーの舞台に進んだ。彼は、ニュージーランドを代表する強豪チームであるチーフスとクルセイダーズという二つのクラブでプレーし、スーパーラグビーでの経験を積んだ。これらのクラブでの活躍を通じて、彼の選手としての評価は確立された。

スーパーラグビーでのパフォーマンスが認められ、チーフス在籍中の2016年6月には、ラグビー界で最も権威ある代表チームの一つ、ニュージーランド代表（オールブラックス）に初めて選出された。同年6月11日に行われたウェールズ代表とのテストマッチで、彼はオールブラックスとしての初キャップを獲得した。2020年10月時点で、彼はニュージーランド代表として通算3試合に出場している。

また、彼は伝統ある招待チームであるバーバリアンズにも選出された経験がある。これは、世界中から選ばれたトッププレーヤーのみに与えられる名誉であり、彼の国際的な評価の高さを物語っている。

スーパーラグビーでの成功とニュージーランド代表での経験を経て、タマニバル選手はフランスのプロリーグトップ14にも挑戦した。ユニオン・ボルドー・ベグルに加入し、フランスのフィジカルなラグビー環境でプレーした。

日本でのキャリア

2020年、タマニバル選手は新たな挑戦の場として日本を選び、ジャパンラグビートップリーグに所属していた東芝ブレイブルーパス（現在の東芝ブレイブルーパス東京）に加入した。日本のラグビーファンにとって、オールブラックス経験者の加入は大きな注目を集めた。

日本の公式戦デビューは、加入翌年の2021年2月20日。ジャパンラグビートップリーグの開幕節、トヨタ自動車ヴェルブリッツ（現トヨタヴェルブリッツ）戦に先発メンバーとして出場し、日本でのプレーをスタートさせた。

フィジー代表としての活動

日本でのプレーを続けながら、2022年には母国フィジーのナショナルチームからの招集を受けた。日本国内の新リーグ、ジャパンラグビーリーグワンの2021-22シーズン終了後、15人制のフィジー代表スコッドに初選出されたのである。これにより、タマニバル選手はニュージーランド代表とフィジー代表の両方でプレーした稀有な選手の一人となった。

フィジー代表としての初キャップは、2022年7月2日に開催されたパシフィックネーションズカップにおけるトンガ代表との一戦で獲得した。この試合では、後半からリザーブとして途中出場している。

このように、セタ・タマニバル選手は、フィジーにルーツを持ちながら、ニュージーランド、フランス、そして日本と複数の国のトップリーグで活躍し、さらにはニュージーランド代表とフィジー代表という二つのナショナルチームでキャップを獲得するという、国際色豊かなキャリアを歩んでいる。東芝ブレイブルーパス東京において、今後もその経験と実力を発揮し、チームを牽引していくことが期待されている。

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