セックスレス

セックスレスとは

セックスレスとは、日本性科学会によると「病気などの特別な事情がないにもかかわらず、1ヶ月以上性交渉がないカップル」と定義されています。しかし、一般的には「カップルのどちらかが性行為を望んでいるにもかかわらず、それが長期間できない状態」を指すことが多いです。セックスレスは、不満を抱えた側の浮気や不倫、離婚願望につながることも少なくありません。

セックスレスの実態

年齢とセックスレス

年齢を重ねるにつれて、セックスレスのカップルは増加する傾向にあります。日本では、特に夫婦間において年齢を重ねると性的な活動を恥ずかしいと感じる風潮が根強く残っています。朝日新聞の調査によると、性行為の頻度が「年数回程度」または「全くない」と回答したカップルの割合は、20代で11%、30代で26%、40代で36%、50代で46%と、年齢が上がるにつれて高くなっています。また、女性は「求められたから」という理由で性行為をするケースも多いとされます。

都道府県別のデータを見ると、47都道府県中21都道府県で平均性交回数が月1回未満と、セックスレスが深刻な状態であることがわかります。さらに、日本性科学会の調査では、2000年から2012年の間に全くセックスをしない夫婦の割合が4人に1人から2人に1人以上に増加しており、セックスレス化が急速に進んでいる一方、配偶者以外の異性との親密な交際は男女ともに約3倍に増加しています。

世界との比較

避妊具メーカーの調査によると、年間の性交回数はギリシャが最も多く164回、次いでブラジルが145回、ポーランドとロシアが143回となっています。一方、日本は年48回程度と、世界平均の103回を大きく下回っています。このデータからも、日本のセックスレス問題の深刻さがうかがえます。

高齢者の性

高齢者の性生活も重要なテーマです。NHKの番組では、60代の男性の76%、70代の男性の75%が性的な欲求を持っていることが明らかになりました。また、妻との性交渉を拒否された高齢男性が、シニア専門の派遣風俗店を利用する実態も紹介されました。アメリカでは、年間10回未満の性交渉しかない夫婦をセックスレスと定義し、20%の夫婦が該当するとされています。ニューヨークの老人ホームでは、入居者同士の恋愛を推奨し、性感染症対策として避妊具を配布し、施設内での性行為を認めているという事例もあります。

セックスレスの原因

セックスレスの原因は多岐にわたります。夫婦間の不満として、夫の約半数、妻の約3分の1がセックスレスに不満を感じています。セックスレスになる最初のきっかけは、拒否された側の容姿の劣化や出産後のホルモンバランスの乱れなどが多いです。また、セックスレスになる側も結婚後の容姿維持を怠りがちです。一方、ホルモンバランスが戻った女性が好みの男性に求められることで肌ツヤが良くなるなど、承認欲求が満たされるケースもあります。

セックスレスによる欲求不満は、無駄遣いややけ食いにつながることもあります。女性は50歳前後に閉経すると性交痛が生じやすくなり、セックスレスの原因となります。愛情に満ち溢れ、質の高い性生活を送る夫婦は70代でも痛みが少ないとされます。逆に、愛情がなく、愛撫をしない一方的な性行為は、若い女性でも潤滑不足や興奮不足を引き起こし、セックスレスの原因となります。

厚生労働省の研究班のアンケート調査によると、セックスレスの理由として男性は「仕事で疲れている」、女性は「出産後なんとなく」という回答が多いです。

AV女優の綾瀬麻衣子は、「久々のセックスは消耗戦になりやすいため、短時間で済ませることが理想」としています。医学博士の富永喜代は、「加齢に伴い、男性はペニスの海綿体が委縮し、女性はホルモンバランスが変化するため、若い頃のような激しいセックスは難しい」と指摘しています。これらの変化に対応するためには、クンニリングスを長めに行う、ローションを使用する、挿入は浅くするなど、工夫が必要です。

まとめ

セックスレスは、現代社会における深刻な問題の一つです。年齢、ライフスタイルの変化、身体的な変化など、様々な要因が複雑に絡み合っています。セックスレスは、夫婦間の不満だけでなく、精神的な健康にも影響を与える可能性があります。セックスレスを解消するためには、夫婦間のコミュニケーションを密にし、お互いの気持ちを理解し合うことが大切です。また、専門家の意見を聞きながら、性生活を改善する方法を模索することも有効です。

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