セバスチャン (映画)

映画『セバスチャン』について

1976年に公開された『セバスチャン』（原題: Sebastiane）は、イギリスの映画監督デレク・ジャーマンによる作品です。この映画は、聖セバスティアヌスを主人公としており、全編がラテン語で展開されるという、非常に特徴的な作品です。歴史的な背景と、人間の欲望、信仰、そして愛といった普遍的なテーマを深く掘り下げています。

ストーリー

物語の舞台は、古代ローマ時代。ディオクレティアヌス帝によるキリスト教徒への激しい迫害が行われていた時代です。主人公のセバスチャンは、皇帝の親衛隊長という地位にありましたが、皇帝からの同性愛的な欲望の対象となり、その嫉妬を買ってしまいます。その結果、地位を剥奪され、辺境の前線基地へと送られることになります。

そこは男しかいない、荒涼とした世界でした。セバスチャンは、その地の司令官であるシベリウスと出会い、二人の間には複雑な感情が芽生えていきます。シベリウスは、セバスチャンに対し、肉体的苦痛を与えながらも愛情を示すというサディスティックな態度をとります。一方、セバスチャンは、その苦痛を甘んじて受け入れるかのように、シベリウスに反抗します。この二人の関係は、マゾヒスティックな愛の形とも解釈できます。

しかし、二人の愛はすれ違い、決して交わることはありませんでした。セバスチャンの愛は、肉体的な関係を求めるシベリウスの愛を遥かに超越しており、やがてそれは崇高なほどに高まります。そして、この愛は、セバスチャンの処刑という悲劇的な結末を迎えることになります。

キャスト

バーニー・ジェイムス: シベリウス
ニール・ケネディ: マキシマス
レオナルド・トレヴィリオ: セバスチャン
リチャード・ウォーウィック: ジャスティン
ドナルド・ダンハム: クラウディス
デーヴィッド・フィンバー: ジュリアン
ケン・ヒックス: アドリアン
リンドスティ・ケンプ: ダンサー
ステファノ・マサリ・マリウス
ジャヌアス・ロマノフ: アンソニー
ロバート・メドレー: ディオクレティアヌス帝

テーマと解釈

この映画は、単なる同性愛を描いた作品としてではなく、信仰、権力、欲望、そして愛の様々な形を深く掘り下げています。セバスチャンの愛は、肉体的な欲望を超えた、より精神的で崇高な愛として描かれています。また、権力者による抑圧や、社会的な偏見といったテーマも含まれています。

関連事項

同性愛
レズビアン・ゲイ映画

外部リンク

セバスチャン - allcinema
セバスチャン - KINENOTE
Sebastiane - オールムービー（英語）
* Sebastiane - IMDb（英語）

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