セバスティアン・ビスカイノ

セバスティアン・ビスカイノの探検と日本との関わり

セバスティアン・ビスカイノ（1548年 - 1624年）は、スペインの名探検家であり、数々の航海や探検によって歴史に名を刻んだ人物です。彼の人生は、冒険心にあふれた探検者としてののっけからの活動から始まります。

前歴とフィリピン貿易

ビスカイノはスペインのウエルバで生まれ、1580年から1583年にかけて行われたポルトガルとの戦争に参加し、そこで得た経験をもとにヌエバ・エスパーニャ（現メキシコ）へと渡ります。その後、1586年から1589年の間にマニラ・ガレオンの商人としてフィリピンとヌエバ・エスパーニャの間を行き来し、その貿易ルートを確立しました。この時期に得た貴重な知識は、後の探検活動にも大いに役立てられたことでしょう。

カリフォルニア探検

1593年、ビスカイノはカリフォルニア湾の西岸での真珠採取の権利を得て、3隻の船を率いてバハ・カリフォルニアに到達しました。現在のラパスという地名は、彼が名付けたものです。当初は新たな植民地を築こうとしましたが、サプライの問題やモラルの低下、さらには火災などの影響で撤退を余儀なくされました。

1601年、彼はヌエバ・エスパーニャ副王モンテレイ伯爵から探検の指揮を命じられ、アルタ・カリフォルニアへ安全な港を見つけるというミッションを受けます。1602年にアカプルコを出発し、11月にはサンディエゴ湾に到達。この航海の中で彼はチャンネル諸島やモントレー湾など、カリフォルニアの重要な地名を命名し、多くの地図を描きました。

ビスカイノの航海は、スペインによるカリフォルニアへの植民のきっかけとなりましたが、彼の探検が終了する頃には、次の植民地化の動きは167年間遅れることになります。

日本との交流

1611年、ビスカイノは日本との貿易を目指して再び航海を行います。これは以前、フィリピンで難破したサン・フランシスコ号の乗組員を助けたことへの返礼としての意義を持っていました。彼の来日には、徳川家康の要請でヨーロッパの鉱山技術に興味があり、同時に金銀島の調査も含まれていました。

ビスカイノはアカプルコを出発し、浦賀に到着後に徳川秀忠や家康と謁見。彼の訪問時にはスペイン王家の紋章を掲げて壮観な演出が行われ、日本側からの商業的関心に対して、ヌエバ・エスパーニャ側はキリスト教の布教を前提にしていたため、具体的な合意には至りませんでした。特に、家康からの測量許可を得て日本沿岸の測量も実施しました。

その後、帰途に金銀島を探すも成功には至らず、最終的には暴風雨に遭い船が大破してしまいました。この結果、幕府に対して新たな船の建造費の支援を求めるも、外交政策の変更により断られることとなります。

著作と評価

ビスカイノは1614年に金銀島探検の報告書を提出し、1867年に公刊されました。この報告書は彼の探検活動の信頼性を示す貴重な資料となっています。彼はまた、仙台城について「日本で最も堅固にして秀でた城」と賞賛し、その地の特徴的な構造をクローズアップしました。

彼の航海や探検からの成果は、後の多くの歴史的な活動に影響を与え、彼の功績は今日でも多くの人々に記憶されています。

もう一度検索