セブンアップ (飲料)

7 Up：レモン風味清涼飲料水の歴史と日本市場での展開

7 Upは、世界中で愛されているレモン風味の炭酸飲料です。爽やかな風味と独自のブランドイメージで、長年にわたる人気を誇っています。本稿では、7 Upの歴史、その特徴、そして日本市場における展開について詳細に解説します。

7 Up の歴史と特徴

7 Up は1920年代にアメリカで誕生しました。当初はクエン酸リチウムを含有していたという説がありますが、現在は天然のフレーバーにこだわったレシピとなっています。「100% 自然」をモットーに、炭酸と糖分以外にフルーツなどの天然素材を積極的に使用し、爽快感あふれる味わいを提供しています。

ブランドの所有権は現在、ドクターペッパー・スナップル・グループが保有しており、世界各国で販売されています。販売会社は地域によって異なり、アメリカやイギリスではブリトヴィック、アイルランドでは C&C、その他多くの国ではペプシコが販売を担っています。

7 Up は、独特の赤い丸をモチーフとしたマスコットキャラクター「クール・スポット」でも知られています。クール・スポットはサングラスをかけた赤い丸いキャラクターで、テレビゲームにも登場するなど、親しみやすい存在として広く認知されています。過去には、オンドリのフレッシュアップ・フレディや漫画キャラクターのファイド・ダイドがマスコットとして活躍していました。

7 Up の名前の由来は諸説あり、確かなことはわかっていません。「Up」は、かつて添加されていたクエン酸リチウムの精神賦活作用に由来するともいわれています。「7」については、ボトルの容量、創業者とサイコロ、もしくはレモン飲料メーカーとしての規模順など、いくつかの説があります。

日本における 7 Up の展開

日本での 7 Up の歴史は古く、1957年に日本セブンアップ飲料が設立され、販売が開始されました。当初は宝酒造との合弁事業でしたが、その後、全国各地にボトラー（瓶詰業者）が設立されました。1963年には、チェリオコーポレーションを設立し、チェリオを発売しています。

1976年には、ペプシボトラーであった伊藤忠飲料の解散に伴い、日本セブンアップ飲料（関西）がペプシコーラボトラーとなりました。これにより、7 Up とライバル製品であるミリンダ、そしてチェリオが同じ会社で販売されることになりました。ミリンダの果汁入りへの変更によって、製品の住み分けが図られました。

1986年には、フィリップモリスがペプシコに海外販売権を売却したことにより、日本国内での 7 Up 販売はペプシコに移管されました。これにより、日本のボトラーはチェリオを中心とした事業運営に転換を余儀なくされました。ただし、沖縄県では、セブンアップ飲料（沖縄）が継続して 7 Up を販売し続けました。

1990年代以降は、味のリニューアルや大規模な宣伝活動、様々なフレーバーの発売など、積極的な市場開拓が行われました。サントリーがペプシコーラ製品の販売権を取得したことにより、7 Up はサントリーの自動販売機でも販売されるようになりました。

パッケージや味の変更、カロリーゼロ製品の発売など、時代に合わせて進化を遂げてきた7 Up は、2007年にはパッケージデザインと味を刷新。2010年にはカロリーゼロでカフェイン配合の「セブンアップ クリアドライ」を発売しました。その後も、パッケージデザインや味の改良、様々な製品の発売、販売終了を繰り返しながら、日本の飲料市場で存在感を示してきました。

2021年1月には、一般消費者向けの350ml缶の製造販売が終了しました。飲食店向けのドリンクバー用製品は現在も販売が継続されています。7 Up は、日本の清涼飲料市場において、長年にわたり多くの消費者に愛されてきたブランドであると言えるでしょう。

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