セブンスデー・アドベンチスト教会

セブンスデー・アドベンチスト教会について

セブンスデー・アドベンチスト教会（SDA）は、19世紀の米国を起源とし、キリストの再臨を待ち望むプロテスタントのキリスト教教派です。この教会は聖書を基盤とした信仰を強調し、全世界で2000万人以上の信徒を抱え、209の国で活動を展開しています。様々な分野での事業に加え、教育、医療、福祉に積極的に貢献していることも特徴です。

教会名の由来

教会名の「セブンスデー」は、週の第七日（土曜日）を安息日として守ることに由来し、「アドベンチスト」はイエス・キリストの再臨を切に願う人々を指します。中でも、安息日を遵守することが教会の信仰と教義の重要な部分を形成しています。

歴史的背景

この教会の歴史は、ウィリアム・ミラーが1844年にイエス・キリストの再臨の日を予告し、その運動が広がったことに起源を持ちます。再臨待望集会は多くの場所で熱狂的に行われましたが、予告された日には再臨は起こりませんでした。この失望を経て、信徒たちはエレン・G・ホワイトの導きの下で新たな解釈を模索し、セブンスデー・アドベンチスト教会が正式に成立する1863年に至ります。一部の信徒は、再臨が訪れなかった日を境に、聖所の清めの儀式が始まったという解釈を持つに至りました。

組織と活動

現在、セブンスデー・アドベンチスト教会は、世界中に732の言語で活動を展開し、13の地域支部に分かれています。また、日本国内では、約100以上の教会と1万5千人以上の信徒が所属しています。特に、教育や福祉に注力し、ADRA（アドベンチスト開発・援助機構）を通じて国際支援活動も行っています。

教義の特徴

この教会が信じる28の基本的信仰は、聖書を唯一の真実として受け入れ、特に三位一体の教義や安息日遵守を重視しています。教義の中には、神の言葉としての聖書、キリストの再臨、そして死後の状態についての独自の見解が含まれ、特に死後は無意識の状態であるとの信条が特徴的です。また、地獄の永遠性を否定し、再臨時に信徒を天に挙げるという考え方も強調されています。

一方で、この教派においてはエレン・G・ホワイトが「預言者」として重要視され、その著作は教会における教えの基盤となっています。彼女の霊的な洞察は、信仰の形成や日常生活において重要な役割を果たしています。

現在の活動

教会の活動は、教育機関の設立（学校法人三育学院）や病院での医療活動（東京衛生アドベンチスト病院）に加え、出版や食品業界にも広がっています。また、地域に密着した協力活動や、国際的な支援プロジェクト（ADRA）を通じて、愛と救いのメッセージを広める努力を続けています。日本においては、教会の歴史に関わる政治や戦争の影響を受けつつも、再び信仰を深めつつ回復している状況にあります。日本での活動開始以来、様々な困難を乗り越えつつ、信徒の成長を促進してきた歴史があります。

教会の未来

セブンスデー・アドベンチスト教会は、信徒数の増加や活動の拡大を通じてさらなる成長を目指し、特に教育や医療、福祉においての貢献を続け、全人類に愛のメッセージを届けるという使命を通して、今後も活動を継続していく所存です。信仰による共同体の絆を強めるとともに、周囲の人々へのサービスを通じて、その存在意義を深めていくことが期待されています。

もう一度検索