セリエA (サッカー) 1930-1931

セリエA 1930-1931

イタリアのサッカーリーグの最高峰、セリエAは、1898年にその歴史をスタートさせて以来、この1930-1931シーズンをもって通算31回目の開催を迎えました。このシーズンはまた、前年度に試験的に導入された単一リーグ制が継続された2シーズン目にあたり、リーグの運営方式が現代へと続く形に定着しつつある重要な時期でした。

参加クラブの変動

リーグに臨むクラブの顔ぶれは、前シーズンからの昇降格を経て変化しました。1929-1930シーズンを終え、セリエBへと降格したのはパドヴァとクレモネーゼでした。一方、セリエAへの昇格を果たしたのは、カザーレとレニャーノの2チームです。これらのチームの入れ替わりにより、新たな力学が生まれ、リーグ戦に新たな彩りが加わりました。

白熱のリーグ戦とユヴェントスの戴冠

全18チームが参加して争われたこのシーズンのセリエAでは、熾烈な優勝争いが繰り広げられました。前年度の覇者であるアンブロジアーナ（現インテル・ミラノ）をはじめとする強豪クラブがひしめく中、安定した戦いを見せたのはトリノの古豪、ユヴェントスでした。彼らはシーズンを通じて高いパフォーマンスを維持し、見事にリーグの頂点に立ち、栄えあるスクデットを獲得しました。ユヴェントスにとって、このタイトルは1925-1926シーズン以来、実に5年ぶりとなる通算3回目のスクデット獲得であり、クラブの歴史に新たな一ページを刻む勝利となりました。

リーグ戦における順位は、以下の基準に基づいて決定されました。

1. 勝点: 勝利には所定の勝点が与えられ、これの合計が多いチームが上位となります。
2. 得失点差: 総得点から総失点を引いた差が大きいチームが上位となります。
3. 得点数: 総得点が多いチームが上位となります。

これらの基準に基づき、全日程を終えた時点での勝点の多さで最終順位が決定され、同勝点の場合は得失点差、さらにそれも同じ場合は総得点によって順位が定められました。

個人の輝き：得点王ロドルフォ・ヴォルク

チームの栄光とは別に、個人のパフォーマンスも注目を集めました。この1930-1931シーズンにおいて、最も多くのゴールをネットを揺らしたのは、ASローマに所属するオーストリア人フォワード、ロドルフォ・ヴォルクでした。彼は卓越した決定力で多くの得点を挙げ、リーグのトップスコアラーとして得点王のタイトルを獲得しました。ローマというクラブがトップリーグでの存在感を増していく中で、ヴォルクの活躍はその象徴の一つと言えるでしょう。

シーズンを振り返って

1930-1931シーズンのセリエAは、単一リーグ制が定着しつつある移行期の中で、ユヴェントスの力強い復活優勝や、ローマのロドルフォ・ヴォルクによる得点王獲得など、見どころの多いシーズンとなりました。この時代のセリエAは、イタリア全土から集まる才能たちがしのぎを削る舞台として、サッカーファンに熱狂を提供し続けていました。

このシーズンの詳細な記録やデータについては、専門の歴史資料やサッカー統計サイトなどに詳しくまとめられています。特に、RSSSF（Rec.Sport.Soccer Statistics Foundation）などの信頼できる情報源が参照されています。

参考文献

* フランコ・チェレッティ 著, 横山修一郎 訳, 『セリエAの20世紀』, ビクターブックス, 2000年.

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