セリエA (サッカー) 1952-1953

1952-1953シーズンのイタリア・セリエAは、この国のトップサッカーリーグとして1898年にその歴史が始まって以来、通算51回目のシーズンにあたります。そして、第二次世界大戦後に現在の形である1リーグ制が採用されてからは、21回目の開催となりました。前シーズンを制し、イタリア王者として君臨していたのはユヴェントスでした。

このシーズンを迎えるにあたり、セリエAのリーグ構成には重要な変更が加えられました。従来の20チーム体制から、参加クラブ数が18に削減されたのです。これは、前シーズンの結果を受けてセリエBへと降格したルッケーゼ、パドヴァ、レニャーノの3クラブに対し、セリエBから昇格を果たしたのはローマのみであったためです。首都クラブであるローマがトップリーグに復帰し、リーグは新たな規模でスタートを切りました。

全34節にわたるリーグ戦は、各チームによる激しい優勝争いが繰り広げられました。最終的にこの戦いを制し、栄冠であるスクデットを獲得したのは、ミラノに本拠地を置くインテルナツィオナーレ・ミラノでした。インテルにとっては、実に1939-1940シーズン以来となる13年ぶりのリーグ優勝であり、クラブ史上通算6回目のスクデット獲得となりました。長らく遠ざかっていたタイトルを手にし、インテルはイタリアサッカー界の頂点に返り咲いたのです。

この優勝を指揮したインテルのアルフレード・フォーニ監督は、戦術面で新たな試みを導入しました。それが、後にイタリアサッカーの代名詞ともなる「カテナチオ」戦術です。強固な守備ブロックを形成し、相手の攻撃を封じ込めるこの戦術は、当時のイタリアではまだ珍しく、その守備的なスタイルはサポーターや専門家たちの間で賛否両論を巻き起こしました。必ずしも広く支持されたわけではありませんでしたが、この戦術がある程度機能し、チームの勝利に貢献したことは事実です。ただし、この戦術への評価は定まらず、翌1953-1954シーズンには、当時のカルロ・マッセローニ会長の意向もあり、フォーニ監督はカテナチオ戦術に固執することなくチームを率い、見事にリーグ2連覇を達成しています。これは、カテナチオが当時のインテルの唯一の強みではなく、チーム全体の総合力が高かったことを示唆しています。

得点王争いでは、リーグ屈指のストライカーがその得点能力を発揮しました。ACミランに所属するスウェーデン代表の偉大なセンターフォワード、グンナー・ノルダールです。彼はこのシーズン、ゴールを量産し、セリエAの得点王である「カポカノニエーレ」のタイトルを獲得しました。ノルダールはセリエAキャリアを通じて驚異的なペースで得点を重ね、このシーズンもその傑出した得点感覚を証明しました。

リーグ戦の最終順位は、主に勝ち点の合計によって決定されました。勝利チームには勝ち点2、引き分けには勝ち点1が与えられ、敗北チームには勝ち点0が与えられます。シーズン終了時に複数のチームが同じ勝ち点で並んだ場合、順位決定の優先順位は定められており、まず得失点差が大きいチームが上位となります。それでも順位が決定しない場合は、総得点の多さが比較基準となりました。

このシーズン終了後、上位チームに関連して特筆すべき出来事がありました。本来ならば国際大会への出場権を得るはずだった一部の上位クラブが、何らかの理由でその権利を辞退したのです。これにより、最終順位では上位に進出したACミランに、繰り上がりで欧州の舞台で戦う機会が与えられました。これは、当時の国際大会の運営状況やクラブの事情を反映した出来事と言えるでしょう。

1952-1953シーズンのセリエAは、リーグ規模の縮小という変化を経て、インテルが13年ぶりのスクデットを獲得した記念すべきシーズンとなりました。カテナチオ戦術の萌芽、ノルダールによる得点王獲得など、後世に語り継がれるエピソードも生まれたシーズンでした。

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