セルギウス3世 (ローマ教皇)

セルギウス3世は、9世紀後半に生まれたローマの貴族出身の人物で、904年から911年まで第119代ローマ教皇を務めました。彼の教皇就任までの道のりは、当時のローマにおける教皇位を巡る激しい権力闘争を象徴するものでした。

セルギウス3世は、反フォルモスス派に属しており、897年には教皇ヨハネス9世と教皇位を争いました。一時的に勝利を収めたものの、皇帝ランベルト・ダ・スポレートによってローマから追放され、結局ヨハネス9世が教皇の座に就きました。しかし、903年に先代教皇レオ5世が対立[[教皇]]クリストフォルスによって廃位されると、セルギウス3世は機会を捉え、904年1月にクリストフォルスを追放して教皇の地位を奪還しました。

教皇に就任したセルギウス3世は、過去の出来事に対する報復措置を断行しました。ヨハネス9世の教皇位を剥奪しただけでなく、フォルモススを支持した歴代教皇に対しても名誉を剥奪しました。さらに、対立[[教皇]]であったクリストフォルスを修道士の身分に落とし、クリストフォルスによって投獄されていた前教皇レオ5世は獄中で殺害されました。

また、クレモナ司教リウトプランドの記録によれば、セルギウス3世は教皇就任直後から、当時権勢を誇っていたローマ貴族テオフィラットの娘マロツィアと関係を持っていたとされています。教皇の公式記録である『Liber pontificalis』には、後の教皇ヨハネス11世はセルギウス3世とマロツィアの間に生まれた子供であると記されています。この真偽は定かではありませんが、セルギウス3世がマロツィアの父であるテオフィラットの支持を得て7年間教皇位を維持したことは事実です。

セルギウス3世は、教皇としての活動の一環として、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂の再建を行いました。これは、彼がローマの教会建築にも貢献したことを示すものです。

セルギウス3世は、911年に病床で亡くなりました。彼の生涯は、当時のローマ教会の政治的な混乱と、教皇位を巡る激しい争い、そして教皇と有力貴族との複雑な関係を映し出しています。ポルノクラシーと呼ばれる時代背景も理解する上で重要な人物と言えるでしょう。

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