セルゲイ・ボンダルチュク

セルゲイ・フョードロヴィチ・ボンダルチュク

セルゲイ・フョードロヴィチ・ボンダルチュク（1920年9月25日 - 1994年10月20日）は、ソビエト連邦、ウクライナ、ロシアの著名な俳優、映画監督、そして脚本家です。彼は、映画界に多大な影響を与えた人物として、特に「戦争と平和」の映画化や「人間の運命」の監督で知られています。

経歴

ボンダルチュクは、ウクライナのヘルソン県ビロゼールカで生まれました。彼が幼少の頃、ウクライナは大きな戦争の影響を受けており、家族はロシアに移住しました。その地で彼は少年時代を過ごし、演劇への関心を抱くようになります。1937年にはタガンローク劇場で初舞台を踏み、演技の道を進むことを決意し、1942年までロストーフ・ナ・ドヌー演劇学院で学びました。

独ソ戦後、1948年に全連邦国立映画大学を卒業し、映画界に足を踏み入れました。彼の映画デビュー作は、セルゲイ・ゲラシモフ監督による「青年親衛隊」で、独ソ戦をテーマにした作品でした。その後、1951年には「タラス・シェフチェンコ」に出演し、ヨシフ・スターリンから評価を受けます。1952年にはソ連人民芸術家の称号を授与され、同称号の最年少受賞者となりました。

1956年には「オセロ」に出演し、当時ソ連での映画化が話題となりました。この作品はカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しましたが、ボンダルチュクは演技のみで監督はしませんでした。1959年、彼は初めて監督を務めた「人間の運命」を公開し、この作品は絶賛されました。それにより、レーニン賞を受賞することになります。

さらに彼は、レフ・トルストイの「戦争と平和」を映画化し、自ら主人公のピエール役も演じました。この作品は1956年から1967年にかけて制作され、アカデミー賞外国語映画賞を受賞するなど、国際的な評価を得ました。

家族とプライベート

ボンダルチュクは生涯にわたり二度結婚しました。最初の妻、イーンナ・マカーロヴァとの間には一人の娘、ナタリヤが生まれました。彼女は後に女優として成功し、映画「惑星ソラリス」にも出演しています。イーンナとは1956年に離婚しました。

その後、彼はイリーナ・スコブツェワと結婚し、一緒に過ごしました。イリーナとの間には娘イェレーナと息子フョードルが生まれ、フョードルは俳優及び映画監督として活動をしています。彼の息子は映画「9 rota」の監督も務めたことで知られています。

影響と遺産

ボンダルチュクはその後も様々な映画の監督や脚本を手がけ、多くの作品が高く評価されました。彼の作品はソ連のみならず西側でも広く受け入れられ、特に歴史映画や文学を基にした作品がその評価を高めました。1992年から1993年にかけて撮影された「静かなドン」は彼の最後の大作となり、死後、再発見されて初めて放送されました。

彼の死後はモスクワのノヴォデヴィチ墓地に埋葬され、その功績は現代の映画界にも大きな影響を残しています。ボンダルチュクの作品や姿勢は、後の映画監督たちに多くのインスピレーションを与え、今日でもその影響力は色あせていません。

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