セルジオ・バッツィーニ

セルジオ・バッツィーニ（Sergio Bazzini, 1935年2月26日 - ）は、イタリアの映画界を代表する脚本家、映画監督です。日本では英語読み、フランス語読みから「セルジオ・バッジーニ」と表記されることもあります。

生い立ちとキャリア

1935年、イタリアのトスカーナ州ピストイアで生まれたバッツィーニは、1960年代初頭に映画界に入り、助監督としてキャリアをスタートさせました。ジャンフランコ・パロリーニやマッシモ・ミダといった名監督に師事し、ジャーロ映画の制作に携わりました。1966年には脚本家としてデビューし、イタリアの集団執筆体制の中で才能を開花させていきます。

1969年、バッツィーニはマルコ・フェレーリ監督の『デリンジャーは死んだ』の脚本を手がけました。この作品は、アメリカの伝説的な犯罪者ジョン・デリンジャーを題材にした意欲作として、国際的にも高い評価を受けました。また、同年にはジャン＝リュック・ゴダールとジャン＝ピエール・ゴラン率いる映画製作集団「ジガ・ヴェルトフ集団」による『東風』の脚本にも、同集団名義で参加しています。この時期のバッツィーニは、映画史に残る重要な作品に数多く関わっていました。

1971年、バッツィーニはイタリア放送協会（RAI）のテレビ映画『訪問者』で映画監督デビューを果たしました。1974年には、監督第2作となる『女性は美しい』を演出しています。同年には、マウロ・ボロニーニ監督の『哀しみの伯爵夫人』の脚本に参加し、以降、ボロニーニ作品の脚本を数多く手がけることになります。バッツィーニは、監督としての才能もさることながら、脚本家としての確かな実力で、イタリア映画界に貢献しました。

1980年代後半から1990年代にかけて執筆ペースは落ちますが、2004年にはダニエレ・チニ監督の『ラスト・フード』の脚本を執筆し、その健在ぶりを示しました。

フィルモグラフィー

バッツィーニは、助監督、脚本家、監督として、以下のような作品に携わってきました。

助監督

1962年: 『西暦79年 エルコラーノ崩壊』（監督：ジャンフランコ・パロリーニ）
1967年: 『LSD 戦慄のゼロ指令』（監督：マッシモ・ミダ）

脚本

1966年: 『A... come assassino』（監督：レイ・モリソン（アンジェロ・ドリオ））
1968年: 『ありがとう叔母さん』（監督：サルヴァトーレ・サンペリ）
1969年: 『ある局面へ向かう女性』（監督：ブルーノ・バラッティ）
1969年: 『人間の種』（監督：マルコ・フェレーリ）
1969年: 『デリンジャーは死んだ』（監督：マルコ・フェレーリ）
1970年: 『ハールレムのチューリップ』（監督：フランコ・ブルサーティ）
1970年: 『東風』（監督：ジガ・ヴェルトフ集団）
1973年: 『ヴォイツェック』（監督：ジャンカルロ・コベッリ）
1974年: 『哀しみの伯爵夫人』（監督：マウロ・ボロニーニ）
1976年: 『沈黙の官能』（監督：マウロ・ボロニーニ）
1977年: 『檻』（監督：カルロ・トゥージ）
1983年: 『Uno + uno』（テレビ映画ミニシリーズ、監督：ビアジオ・プロイエッティ）
1985年: 『テレーズ・ラカン』（テレビ映画ミニシリーズ、監督：ジャンカルロ・コベッリ）
1991年: 『金曜日の別荘で』（監督：マウロ・ボロニーニ）
1995年: 『リコルディ家』（テレビ映画ミニシリーズ、監督：マウロ・ボロニーニ）
1998年: 『窓ふきのバラード』（監督：ピーター・デル・モンテ）
2004年: 『ラスト・フード』（監督：ダニエレ・チニ）

監督

1971年: 『訪問者』（テレビ映画）
1974年: 『女性は美しい』

原作

1969年: 『ママの気持ち』（監督：サルヴァトーレ・サンペリ）
1975年: 『激走! イタリア・トラック野郎』（監督：ジュリアーノ・カルニメーオ）

バッツィーニは、そのキャリアを通じて、社会的なテーマや人間ドラマを深く掘り下げた作品を数多く制作しました。彼の作品は、イタリア映画史において重要な位置を占めており、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

外部リンク

Sergio Bazzini - IMDb（英語）
Sergio Bazzini - オールムービー（英語）
セルジオ・バッジーニ - KINENOTE
セルジオ・バッツィーニ - allcinema
セルジオ・バッジーニ - ウェイバックマシン - movie-fan.jp

もう一度検索