セルジ・サルキシャン

セルジ・サルキシャンのプロフィール

セルジ・サルキシャンは1954年6月30日にアゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国のナゴルノ・カラバフ自治州に生まれました。彼は政治家として著名で、特に2008年から2018年までアルメニアの大統領を務めたことで知られています。サルキシャンは、アルメニア共和党の党首としての地位を持ち、コチャリャン大統領政権下で首相を経験しました。

初期の経歴

1971年、サルキシャンはエレバン州立大学に入学しましたが、すぐにソ連軍に徴兵されます。その後、1979年に再び大学に戻り、言語学を専攻して卒業しました。彼は1975年から1979年にかけてエレバンの電気装置工場で旋盤工として働いた後、政治の道へ進み始めました。

彼の政治キャリアは1989年にナゴルノ・カラバフ自治州で起こった民族的緊張の中で始まります。彼は自衛軍委員会の委員長に就任し、1990年にはアルメニア国民議会の議員として選出されました。サルキシャンは、ナゴルノ・カラバフ戦争中にいくつかの戦闘を指揮し、アルメニア軍の設立にも関与しました。

1993年には国防大臣に任命され、その後は国家安全保障局長、首相などの重要な職を歴任します。特に、1999年のヴァズゲン・サルキシャン首相暗殺事件においては、政敵からの疑念が持たれました。

大統領就任

2008年、サルキシャンはアルメニアの大統領に選出されます。彼は初回投票で53%の支持を得て当選したものの、対立候補の支持者との間に抗議活動が発生し、翌月には非常事態宣言が発令されました。

大統領に就任後、彼は新たにチグラン・サルキシャンを首相に任命し、経済改革に着手しました。また、政権による権力への反発に対し、異文化の尊重と共存を主張し、変革の意志を示しました。

外交政策

サルキシャンの外交政策は、特にトルコとの関係改善に焦点を当てていました。彼はアルメニア人虐殺を国際的に認知させる努力を続けつつ、外交関係正常化に向けた歩みを示唆しました。2009年にはアルメニアとトルコの外交関係を確立する議定書に署名し、この問題に関して前提条件を受け入れました。

また、サルキシャンは国際連合の場で、南オセチア紛争を挙げ、地域の武力紛争に対する平和的解決の必要性を訴えました。2012年には日本を訪問し、東日本大震災の被災地を視察しました。

抗議活動と辞任

2011年、以前の対立候補であるレヴォン・テル＝ペトロシャンの指導のもと、大規模な抗議運動が勃発しました。サルキシャンは反発を受け入れる意向を示し、議会の調査を約束しました。2013年の大統領選では再選を果たしますが、2018年に突如として辞任を余儀なくされます。

怒りの声が高まる中、サルキシャンは「私は首相職を去る」と表明し、権力の移譲が行われました。彼の辞任は長期政権への反発の象徴として、重要な出来事とされました。

私生活

1983年にはリタと結婚し、2人の娘と1人の孫娘を持っています。ユニークな点として、彼はアルメニアのチェス連盟の会長でもあり、2011年にはチェスが小学校の必修科目として導入された経緯があります。このように、セルジ・サルキシャンは政治家としてだけでなく、社会活動家としても多様な側面を持つ人物です。

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