セルビアガス

セルビアガス（Србијагас / Srbijagas）は、セルビア共和国が所有する重要な天然ガス供給企業です。その活動は、セルビアのエネルギー供給を支える根幹となっています。

設立と事業内容

2005年、セルビア石油産業（NIS）の再編に伴い、天然ガス部門が分離独立する形でセルビアガスは誕生しました。主な業務は以下の通りです。

天然ガスの調達（国内産・輸入）
需要家・消費者への供給
* ガスパイプラインの建設・維持

セルビア国内のガスパイプライン網は、北部バナト郡付近からセルビア中南部までを結ぶ幹線を中心に、各地域への供給網を形成しています。本社は、ヴォイヴォディナ自治州の州都であるノヴィ・サドに位置しています。

経営再編

設立当初、セルビアガスはコストとガス販売価格の乖離により、経営状況は厳しいものでした。2013年、セルビア政府は債務問題の解決と経営体制の改善を目指し、セルビアガスを輸送・貯蔵部門と調達・販売・供給部門に分割しました。輸送・貯蔵部門は新たに設立された「トランスガス社（Transgas AD）」に移管され、セルビアガスは調達・販売・供給に特化することになりました。

サウスストリーム計画との関わり

セルビアガスは、ロシアと西欧を結ぶサウスストリーム計画に深く関わっていました。2008年には、セルビア国内のパイプライン通過と計画への参加が両国政府間で合意され、2009年にはガスプロムとの間で合弁会社「サウス・ストリーム・セルビアAG社」が設立されました。この計画は、セルビア国内へのガスパイプライン建設に加え、ガス需給調整用の貯蔵施設の建設も予定しており、経済効果や安定供給への貢献が期待されていました。

セルビアガス自体も、サウスストリームからの支線として、ボスニア・ヘルツェゴビナ方面へのパイプライン建設を計画していました。しかし、2014年にサウスストリーム計画は中止となり、これらの計画も実現には至りませんでした。

その他の活動

セルビアガスは、スポーツ振興にも貢献しており、2009年夏季ユニバーシアードのスポンサー企業の一つとなっています。

セルビアガスは、セルビアのエネルギー供給において、重要な役割を担っています。経営再編や国際的なプロジェクトへの参加を通じて、その事業展開は変化を続けており、今後の動向が注目されます。

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