セルビア共和国 (1992年-2006年)

セルビア共和国：激動の歴史と独立

セルビア共和国（Република Србија / Republika Srbija）は、バルカン半島に位置する国です。その歴史は、ユーゴスラビアという国家の変遷と深く関わっています。1990年から2006年までの間、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国、ユーゴスラビア連邦共和国、セルビア・モンテネグロという形で存在し、2006年にモンテネグロの独立に伴い、セルビアも独立国家となりました。

ユーゴスラビアからの独立

1990年、ユーゴスラビア共産主義者同盟の崩壊により、セルビア社会主義共和国は社会主義体制を放棄し、ユーゴスラビアの枠内で民主主義体制をとる共和国となりました。1992年にユーゴスラビア社会主義連邦共和国が解消されると、セルビアとモンテネグロはユーゴスラビア連邦共和国を結成しました。セルビアは人口と面積でモンテネグロを圧倒し、連邦内で主導的な地位を占めました。

ユーゴスラビア連邦共和国

ユーゴスラビア連邦共和国において、セルビアの政治はボスニア・ヘルツェゴビナやクロアチアに住むセルビア人の利益を守ることに重点が置かれました。当時の指導者であったスロボダン・ミロシェヴィッチは、ユーゴスラビアにおけるセルビア人の権益を擁護しました。しかし、彼の政策はユーゴスラビア紛争を引き起こし、国際社会から批判を浴びることとなりました。ミロシェヴィッチは、クロアチアやボスニア・ヘルツェゴビナからの分離を望むセルビア人の自治国家を支援し、戦争犯罪行為を支援しているとの非難を受けました。

1995年、ミロシェヴィッチはデイトン合意に署名し、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を終結させました。その後、1999年にはコソボ紛争が勃発し、セルビアとモンテネグロはNATOによる空爆を受けることとなりました。

紛争後、セルビアではミロシェヴィッチに対する国民の怒りが高まり、2000年に彼は失脚しました。その後、戦争犯罪の嫌疑で旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷に引き渡されました。

セルビア・モンテネグロ

2003年、ユーゴスラビア連邦共和国は国家連合セルビア・モンテネグロとなりました。しかし、モンテネグロでは独立の機運が高まり、2006年に住民投票で独立を決定しました。これにより、セルビアも独立を宣言し、1918年以来初めて独立国となりました。

独立後のセルビア

独立後、セルビアはEU加盟を目指し、国内の改革を進めています。しかし、コソボ問題など、解決すべき課題も残されています。

セルビアの歴史は、ユーゴスラビアという国家の興亡と深く結びついています。その歴史を理解することは、現代のバルカン半島情勢を理解する上で不可欠です。

関連項目
セルビア
セルビアの歴史
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国
ユーゴスラビア連邦共和国
* セルビア・モンテネグロ

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